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2015-06-15 平成27年第2回定例会(第3日目) 名簿
2015-06-15 平成27年第2回定例会(第3日目) 本文

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  1. 鹿児島県議会 2015-06-15
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    取得元: 鹿児島県議会公式サイト
    最終取得日: 2023-05-18
    ↓ 最初のヒットへ(全 0 ヒット) 1  午前十時開議    △ 開  議 ◯議長(池畑憲一君)ただいまから、本日の会議を開きます。  本日の日程は、配付いたしております議事日程のとおりであります。       ━━━━━━━━━━━━━  議 事 日 程  一、開  議  一、一般質問    松 田 浩 孝 君    永 田 憲太郎 君    田 中 良 二 君    山 田 国 治 君  一、請願・陳情の委員会付託  一、散  会       ━━━━━━━━━━━━━ 2    △ 一般質問 ◯議長(池畑憲一君)まず、一般質問であります。  通告に従って、順次発言を許可いたします。
     松田浩孝君に発言を許可いたします。    [松田浩孝君登壇](拍手) 3 ◯松田浩孝君 おはようございます。  平成二十七年第二回定例会に当たり、公明党県議団を代表して一般質問いたします。  五月二十九日の口永良部島新岳の爆発的噴火から十七日間が経過いたしました。六月十三日、安倍総理が避難所を視察され、島民に寄り添う支援を約束されました。避難生活を余儀なくされている島民の皆様にお見舞い申し上げ、長期の避難生活も見込まれる中、生活及び仕事の支援等に万全の対応をお願いし、通告に従い質問してまいります。  初めに、知事の政治姿勢について、まず、地方創生に関連して伺います。  日本は、二〇〇八年から人口減少時代に突入し、人口の急速な落ち込みは経済の停滞や生活水準の低下を招き、都市圏への人口流出が続く地方には既に深刻な問題があらわれている地域もあります。人口減少に歯どめをかけるためには長い期間を要しますが、早く手を打つほどその効果は高まります。  ひとが主役の地域社会へ。いよいよ各地で地方創生への取り組みが本格的にスタートいたします。各自治体は二〇一五年度中に、独自の政策と数値目標を盛り込んだ地方版総合戦略を策定することになっております。とりわけその議論に当たっては、産・官・学に加え、地域の実情を詳しく知る、金・労・言─金融機関・労働団体・メディア─や、住民の代表を巻き込むことが重要であります。公明党の活気ある温かな地域づくり推進本部は、国が示した地方創生メニューの中から、ひとに焦点を当てた五分野に重点を置くよう提案しております。  具体的には、一つ目が、地域しごと支援、二つ目、都市農村交流、三つ目、奨学金を活用した大学生などの地方定着の促進、四つ目、子育て世代包括支援センターの整備、五つ目、中山間地域などで生活・福祉サービスを一定エリアに集める小さな拠点の形成であります。  各自治体の地方版総合戦略策定に当たって、県は調整機能を発揮し、目標設定や施策の方向性について整合性をとるため、連絡・調整の場の設定が必要とされております。谷口九州大学教授は、「政策は、官が制度と計画をつくって終わりではない。実際に民が事業を実施し、雇用や定住人口がふえて初めて意味がある。成果の実現のためには、政策の企画立案段階から民を交え、実施まで一貫して官民が共同参画する政策推進組織が必要だ」と訴えられております。  そこで第一点は、市町村の戦略策定に係る県の調整機能の現状と県の戦略策定に係る産官学金労言や住民代表の参画の現状と今後のスケジュールについて伺います。  人が生きる、地方創生の最大の鍵が人であります。東京駅八重洲中央口から徒歩四分にある移住・交流情報ガーデンを視察してまいりました。全国自治体の移住情報冊子が置かれ、パソコン上では、総務省全国移住ナビで情報の検索ができました。四名の相談員はそれぞれ専門分野を持ち、仕事や就農支援、住環境などについて的確に対応されておりました。移住に関心を持ち、ふらっと訪問した方が鹿児島に興味を持っていただく仕掛けが必要だと感じました。  第二点は、県の移住・交流促進の取り組みの現状と課題、移住・交流情報ガーデンの活用について伺います。  奨学金を活用した大学生等の地方定着の推進として、政府と地方自治体、地域の産業界が連携して、地方に就職する学生の奨学金返済額を減らすメニューがあります。自治体や産業界が共同で基金をつくり、卒業後の返済を一定の割合で肩がわりし、国が都道府県の出捐額に特別交付税を措置する内容であります。  類似の取り組みは既に香川県など幾つかの自治体で行われており、二〇一二年度から始まった香川県の制度では、対象者に月額三万円から六万円程度の無利子奨学金を貸与。卒業後、同県内で就職した場合は、借りた月数に一万五千円を掛けた金額の返済を肩がわりする。制度に対する利用者の評価は高く、初年度は募集定員の十倍近い応募があったそうです。  政府は、この新しい奨学金事業で、事業に取り組む一道府県当たり百人程度を対象としております。  そこで第三点は、県が夏までに制度設計するとしている奨学金制度の内容、課題について伺います。  少子化から脱出するためには、いかに産み育てやすい環境をつくるかが問われています。フィンランドの母子支援施設ネウボラをモデルにした事業が東京文京区などで実施されております。妊娠・出産期から育児期までの子育て支援策を充実させ、総合的な相談や支援体制をワンストップで対応する事業であります。  第四点は、本県でも市町村によってさまざまな取り組みがなされておりますが、県として、ワンストップネウボラ事業の推進に対する認識を伺います。  次に、県民所得について伺います。  内閣府が発表した二〇一二年度の県民経済計算によると、一人当たり県民所得の全国平均は前年度比〇・六%増の二百九十七万二千円で、三年連続で前年度を上回り、二十六の県で前年度に比べプラス。地域ブロック別に見ると、北海道・東北、中部、近畿、九州地域ブロックでプラス。実質経済成長率は、二十五の県でプラスの結果でありました。東日本大震災の復興需要などにより、景気が回復しつつある状況だったことが背景にあると報道されました。  全国の状況に対して、鹿児島県はマイナス〇・九%で、前年度の三十七位から四十二位になりました。  そこで、前年度三十七位に上昇したと評価されておりましたが、伸びがマイナス〇・九%で四十二位になった結果について、知事の認識を伺います。  次に、総合教育会議に関連して伺います。  今年度より、新教育委員会制度がスタートしました。改正されるきっかけは、平成二十三年十月に発生した滋賀県大津市の中二いじめ自殺事案、そして翌年十二月の大阪市桜宮高校で体罰が原因と見られる生徒の自殺などの不祥事であります。行政側の事後対応が問題とされ、学校や教育委員会が事実関係を明らかにし、責任を明確にしなかったと批判されました。学校や教育委員会の隠蔽体質など実態はともかく、社会的批判が多くありました。  新制度では、首長にリーダーシップを発揮してもらい、首長と教育委員会とがフランクに意見交換ができるよう総合教育会議が設けられました。そこでの協議を経て、首長が、教育の振興に関する施策の大綱の策定や重点的に講ずべき施策等について協議・調整を行うことになります。五月に鹿児島県総合教育会議が開催されました。  そこで、知事のリーダーシップのもと、教育の振興に関する施策の大綱が策定されますが、知事の本県教育に対する所感について伺います。  次に、口永良部島大噴火に関連して伺います。  五月二十九日午前九時五十九分、屋久島町口永良部島の新岳において爆発的噴火が発生、鹿児島地方気象台は、噴火警戒レベルを三から最高の五に引き上げ、それに伴い、屋久島町は全島民に避難指示を発令しました。  旅行者を含む全島民百三十七名は、町営船のフェリー太陽海上保安本部巡視船搭載ヘリなどで屋久島に避難いたしました。住民一人がやけどを負ったものの、昨年八月の噴火時の経験も生かして、全体としては大きな犠牲者を出すことなく無事に避難することができたことは、不幸中の幸いでありました。  我が会派は、爆発した二十九日に屋久島に入り、避難してきた皆様にお見舞いを申し上げるとともに、さまざまな御要望をお聞きしました。翌三十日には、江田衆議院議員秋野参議院議員とともに、屋久島町長にさまざまな要望をお聞きし、六月二日には、官房長官に町長や島民の要望を届けたところであります。  そこで第一点、避難生活が長期化することも考えられますが、避難者はそれぞれ状況が異なり、多様なニーズがあることから、生活支援のため、相談窓口の設置を含めて、県としてどのような支援をしていくのか伺います。  第二点、口永良部島には、小学生が十人、中学生が六人在学していました。留学生もおりますが、現状と今後の対応について伺います。  第三点、屋久島町長からは、今後も避難することが考えられることから、番屋ヶ峰の避難所の近くにヘリポートを整備してほしいとの要望がありましたが、県の見解を伺います。  次に、統一地方選挙に関連して伺います。  今回の統一地方選挙では、投票率の下落に歯どめがかからず過去最低を記録しました。人口減少と少子高齢化が進む中、地方創生の担い手として地方議員の役割が重要になってきたにもかかわらず、逆に住民の関心は冷めていくようであります。  鹿児島県議選の投票率は四八・七八%で、過去最低を更新しました。投票に行かない理由は、政治への関心の低さや入れたい候補者がいないなどさまざまだと考えます。原因を分析して、議会と県民の距離を縮めるあなたのそばで県議会の推進などの議会改革や地方自治を学ぶ教育、立候補しやすい環境づくりなど、多方面から対策を考える必要があります。全体の投票率が下がった一方で、期日前投票は前回を上回る一二・七〇%でありました。  今回の鹿児島県議選で鹿児島市は、二十代の投票率を上げようと、初めて鹿児島大学の構内に期日前投票所を設置しました。選挙コンシェルジュ鹿児島に委嘱された十四人の大学生が自分たちで撮影した動画などを使って投票を呼びかけた結果、二日間の期日前投票では、想定の五百人を上回る六百二十八人が投票しました。  田村新潟大学教授は、「有権者の関心を高め、投票率を上げることが統一選の狙いだが、そうなっていない。多くの自治体で任期のずれが生じている。今のままでは限界があり、制度の仕切り直しも必要ではないかと思っている。十八歳選挙権の導入に当たって、高校生のときから政治に関心を持ってもらうことが、今の空洞化する選挙を変える最後のチャンスかもしれない。今後数年間は学校現場でもさまざまな模索がなされるだろうし、地方議員も彼らにどのようにかかわっていくのか。遠回りかもしれないが、今の問題を解決する鍵になるかもしれない」と訴えております。  選挙を実施する際は、告示日の前日の基準日まで引き続き三カ月以上、その市町村の住民基本台帳に記録されて居住している人で、選挙期日までに年齢が二十歳に達する人が選挙人名簿に登録されます。今回の統一地方選挙において、春の定期異動で転任された方々の中には、不在者投票制度等を利用せず、投票に行かなかった方もいるのではと考えております。  そこで第一点、大学等での期日前投票の状況について伺うとともに、県選管として、今回の県議会議員選挙における投票率の結果をどう総括するか伺います。  第二点、手軽に期日前投票していただくための投票所入場券への工夫に取り組む市町村とその効果について伺います。  第三点、四月に実施される選挙において、定期異動者の選挙権行使のための工夫について伺います。  第四点、十八歳選挙権実施に向けたシチズンシップ教育の現状と課題について伺います。  次に、明治日本の産業革命遺産九州・山口と関連地域の世界遺産登録について伺います。  国連の教育科学文化機関─ユネスコ─の諮問機関であるイコモスから、明治日本の産業革命遺産九州・山口と関連地域について、世界文化遺産登録がふさわしい旨の勧告が出されました。  同遺産群は、全国八県十一市二十三資産で構成され、本県では鹿児島市に旧集成館や寺山炭窯跡などがあり、登録が実現すれば、鹿児島の魅力を世界に発信する絶好の機会であり、観光振興、地域の活性化等、大いに期待されるところであります。  一方、韓国、中国は、戦時中の強制労働等、人権の問題を取り上げ、登録反対を主張しております。  そこで第一点、世界文化遺産登録に向けて、機運の醸成が重要と考えますが、県民への普及啓発の取り組みについて伺います。  第二点、鹿児島の歴史を学ぶ上でも貴重な遺産群でありますが、教育現場での遺産群の活用について伺います。  第三点、観光振興、地域活性化への取り組みと周辺整備について伺い、一回目の質問といたします。    [知事伊藤祐一郎君登壇] 4 ◯知事(伊藤祐一郎君)本県教育に対する所感についてのお尋ねがございました。  近年、我が国は、グローバル化の急速な進展、本格的な人口減少や少子高齢化の進行など大きな変革期の中にあります。このような中で、教育に関しては、家庭や地域の教育力の低下、子供の学ぶ意欲や学力、体力の低下・規範意識や倫理観の欠如など多くの課題が指摘されており、本県におきましても、児童生徒の学力向上やいじめ、不登校等の問題行動への対応、特別支援教育の充実、高等学校の活性化、教職員の資質向上など取り組むべき課題があるものと考えております。  しかしながら、本県には教育を大事にする伝統や風土があり、豊かな自然、日本の近代化をリードした歴史、地域に根差した個性あふれる文化、全国に誇れる農林水産業などの産業、さまざまな分野で活躍している人材等の教育的資源が豊富であり、また、地域全体で子供たちを育てるという伝統的な地域の教育力もあるものと考えております。  教育は、将来の社会を担う人材を育成するという、国・地方を通じて取り組むべき最も重要なテーマであります。私は、鹿児島のよき伝統や歴史、風土などのすぐれた特性を生かしながら、知・徳・体の調和がとれた教育がより一層推進され、将来の我が国や鹿児島を担う人材の育成が図られますよう努めてまいりたいと考えているところであります。 5 ◯総務部長(寺田雅一君)地方創生に関する市町村の戦略策定に係る県の調整機能についてでございます。  県におきましては、地方版総合戦略の策定など地方創生に係る市町村の主体的な取り組みを支援するため、本年四月に三名の専任職員を配置し、市町村からの相談に対応するとともに、各地域振興局・支庁におきまして、管内の市町村との意見交換会を開催し、必要な助言等を行っているところでございます。  市町村におきましては、現在、人口分析や地域経済分析等が行われているところでありまして、総合戦略の策定に向けた検討は今後、本格化するものと考えております。  県といたしましては、今後とも、市町村における地方創生に関する取り組みが推進されますよう、総合戦略の策定段階に合わせまして、意見交換の場を設けるなど必要な情報提供や助言などの支援を行ってまいります。 6 ◯企画部長(岩切剛志君)地方創生の取り組みに関しまして、産学官金労言や住民代表の参画等についてであります。  地方創生に取り組むためには、本県の実情に沿った実効性を伴う施策の展開を図ることが重要であり、本県の成長・発展につながる具体的なプロジェクトの掘り起こしが何より重要と考えております。そのため、本県の地方創生の取り組みなどについて、地域の産業や経済等に知見を有する外部有識者による有識者懇話会─まだ仮称でございますが─を設置し、助言をいただくこととしておりまして、県民の代表である県議会における御議論も踏まえながら、本年度中に総合戦略を策定したいと考えているところであります。  移住・交流促進の取り組みの現状と課題についてであります。  県においてはこれまで、本県への移住希望者を対象に、東京、大阪などでのセミナーの開催やウエブサイトによる情報発信、ふるさと人材相談室での就業相談のほか、UIターンフェア等を実施してきたところであります。移住・交流をさらに進めるためには、大都市圏での情報発信や相談体制の充実・強化が重要であり、今年度新たに、移住・交流相談員を東京に配置し、土日の相談にも対応できるようにいたしましたほか、セミナー回数を大幅にふやし、世代別での開催など、きめ細かな対応に努めているところであります。  国の移住・交流情報ガーデンについては、イベントの会場としても活用ができますことから、今後、市町村と連携した移住相談会の開催等を検討してまいります。  県民所得についてであります。  本県の平成二十四年度の一人当たり県民所得は、円高の継続、世界経済の減速、原油高などの影響で製造業の生産額が減少したことや、企業業績や雇用者の所得が伸び悩む中、消費者の節約志向などから、卸売・小売業の販売額が減少したこと、また、この年の推計において、金融機関の利子所得の推計方法を見直したことなどから、前年度より二万一千円減少し、二百三十八万七千円となったところであります。一方、東日本大震災の復旧工事の本格化などにより生産活動が持ち直し、伸び率が全国平均を上回る県があり、結果として四十二位になったと考えております。  県民所得の向上は本県にとって重要な課題であり、引き続き、経済・雇用を支える足腰の強い産業の育成など、「日本一のくらし先進県」の実現に向けて取り組んでまいりたいと考えております。  産業革命遺産に関連しまして、機運の醸成に向けた県民への普及啓発の取り組みについてであります。  本県遺産の県民への普及啓発については、これまで、県内各地での講演会の実施、遺産の背景やこれを支えた人物などを伝えるガイドの育成、小学生への副読本の配付、各種メディアを活用した情報発信などに取り組んできているところであります。こうした取り組みもあり、まちづくり団体などが演劇やまち歩き、地域の清掃などの活動を行っているところであります。  本県の遺産は、薩摩藩が日本の近代化の先駆けとなったことを示すものであり、今後の普及啓発に当たりましては、こうしたストーリーを県民に十分周知することにより、さらなる機運の醸成を図ってまいりたいと考えております。  遺産の周辺整備についてであります。  本県の遺産の周辺整備につきましては、イコモス勧告後の来訪者の増加が見込まれましたことから、鹿児島市や関係企業等とも連携して取り組んできたところであり、これまで、アクセス道路における案内板の設置や関吉の疎水溝の駐車場の確保、ガイドの配置などを行ってまいりました。  今後とも、来訪者の状況等を見ながら、鹿児島市等と十分連携し、受け入れに必要な整備に努めてまいりたいと考えております。 7 ◯教育長(古川仲二君)新たな教育制度の内容と課題についてでございます。  国においては、奨学金を活用した大学生等の地方定着促進要綱を制定し、地域の中核企業等を担うリーダー的人材を確保するため、奨学金を活用した大学生等の地方定着の促進を図ることとされたところでございます。  本県の新たな奨学制度の導入に当たりましては、このような国の基本的な考え方を踏まえつつ、本県地域産業の担い手となる若者の確保や入学時の経済的負担の軽減を図るため、大学生等が県内に就職した場合の返済を減免する制度や大学等への入学時に一時金を貸与する制度等について鋭意検討中であり、夏までに、対象者の所得要件、貸与額、減免の要件や幅等、具体的な制度設計を行うことといたしております。  次に、口永良部島の児童生徒の現状と今後の対応についてでございます。  口永良部島金岳小・中学校の児童生徒十六人のうち、緊急避難的に屋久島島外に就学した二人を除く十四人は、屋久島島内の学校に通学し、在校児童生徒と同じ教室で勉学に励んでおります。金岳小・中学校では、平成二十五年から宮浦小学校と中央中学校を訪問して授業を受ける交流学習を行ってきておりまして、今回のスムーズな就学につながったものと聞いております。  また、県教委では、環境の変化に伴う児童生徒のストレス等に迅速に対応いたしますため、学校からの要請を受け、六月五日、十一日の両日、県のスクールカウンセラーを緊急派遣して、希望者全員にカウンセリングを行ったところです。  今後とも、金岳小・中学校と避難先の学校の教職員が一丸となって、きめ細やかな指導に努めますとともに、継続的なスクールカウンセラーの派遣による児童生徒の心のケアにも努めてまいります。  次に、教育現場での遺産群の活用についてでございます。  これからの社会を担う子供たちが、ふるさとの歴史や文化等を学び、国や郷土に対する深い愛情と誇りを持つことは重要であり、明治日本の産業革命遺産九州・山口と関連地域は、その観点からも高い価値を有するものと考えております。  現在、小学校六年及び中学校二年の社会科で、幕末の薩摩藩の改革や明治期の産業革命について学習する際、産業革命遺産を具体的な事例として取り上げております。また、県では、副読本「かごしまタイムトラベル」を作成し、県内の小学校五、六年生全員に配付いたしており、集成館事業を中心に、日本の近代化に鹿児島が果たした役割等を紹介する教材として活用されております。  今後とも、産業革命遺産についての学習がより充実し、子供たちの郷土に対する誇りと愛情が育まれるよう努めてまいります。 8 ◯保健福祉部長(古薗宏明君)ネウボラ事業の推進についてであります。  妊娠期から子育て期における相談支援につきましては、市町村において、妊婦教室や新生児訪問、三歳児健診など発育・発達段階に応じたさまざまな相談等が行われております。  国におきましては、核家族化等により、妊娠・出産、子育てに係る父母の不安や負担がふえてきているとの認識のもと、ワンストップで相談支援を行います日本版ネウボラとも言うべき子育て世代包括支援センターの整備を必須とした妊娠・出産包括支援事業を昨年度末に創設したところでありまして、本県におきましても、取り組む意向を示している市町村があります。  県といたしましては、身近な市町村の保健センター等において、妊娠期から子育て期に至るまで、総合的かつ継続的な支援が行われるよう必要な助言を行ってまいります。  避難者の生活支援に関する県の取り組みについてであります。  避難されている方々の生活支援に当たりましては、まず、心身両面にわたる健康の保持が重要でありますことから、町や地元医療機関などと連携し、健康状態を確認するとともに、保健指導等を行っております。また、生活環境を整えるため、入居可能な公営住宅等を確保するとともに、応急仮設住宅の設置に向けまして国や町と協議を行っているところであり、できるだけ早期に入居できるよう取り組むこととしております。  避難の長期化が懸念されます中、今後、生活や仕事などのさまざまな相談が寄せられることが想定されますことから、総合的な相談窓口の設置の必要性について、町と協議することとしております。  県といたしましては、屋久島町や関係機関と緊密な連携をとりながら、避難生活を余儀なくされている方々の生活の安定が確保できるよう全力で取り組んでまいります。 9 ◯危機管理局長(永野 司君)口永良部島のヘリポートの整備についてでございます。  県及び屋久島町の地域防災計画では、口永良部島から島外への避難が必要になり、船舶での避難ができない場合には、折崎ヘリポートからヘリコプターにより避難することとされております。  町におきましては、昨年八月の新岳の噴火を踏まえ、整備を進めている番屋ヶ峰避難所付近におきまして、一旦避難した住民が、本村港が使用できない場合に、より迅速に避難できるようヘリポートの適地を選定中であると聞いております。  県といたしましては、進入経路などの技術的な課題や補助金等の活用について、関係機関と連携しながら、町に対し必要な助言を行ってまいりたいと考えております。 10 ◯選挙管理委員会委員長(鎌田六郎君)最初に、期日前投票の状況及び県議会議員選挙の投票率についてお尋ねがございました。  今回の県議会議員選挙に際しましては、鹿児島市では新たに二カ所に期日前投票所を設置されました。鹿児島大学では六百二十八人、市勤労者交流センターでは三千九十六人が投票され、鹿児島大学での投票者数は、全国十一大学の投票所の中で最多であったと聞いております。  今回の選挙における投票率の低下につきましては、全国の傾向と同様でございますけれども、近年の政治や選挙に対する無関心層の増大等が影響したものと考えております。
     当委員会といたしましては、関係団体と連携を図りながら、若年層を中心に、政治や選挙に対する関心を高め、一人でも多くの方に投票していただくよう根気強く選挙啓発に取り組んでまいりたいと考えております。  次に、期日前投票に係る投票所入場券の活用についてでございます。  期日前投票は、当日投票の例外でありまして、投票に際し、有権者は、一定の事由に該当する旨の宣誓書を提出することとされております。この宣誓書は、通常、期日前投票所で記載いたしますが、事前に自宅等で記載できるよう、県内五市では、投票所入場券に宣誓書様式を印刷しているほか、ホームページから様式を入手できるような工夫をしている団体も見られます。こうした取り組みによりまして、期日前投票所における待ち時間が短縮され、有権者の利便性が向上したと聞いております。  次に、定期異動者の選挙権行使に係る工夫についてでございますが、今回の県議会議員選挙に関しまして、選挙前に県内で転居された方の投票方法といたしましては、転居前の市町村で行う当日投票や期日前投票、転居先等で行う不在者投票がありました。  当委員会では、市町村の選挙管理委員会及び住民課等へ、連携して転居される方に投票方法についての周知を図るよう通知いたしまして、定期異動の多い職場に対象者への周知を依頼したところであります。  なお、現在、国におきましては、投票用紙のオンライン請求など投票環境の向上や有権者の負担軽減のための方策が検討されているところでございます。  シチズンシップ教育の現状と課題についてでございますが、シチズンシップ教育とは、社会の構成員としての市民が備えるべき市民性を育成するために行われる教育とされております。  当委員会は、こうした観点も考慮し、小・中学校等におきまして、選挙に関する出前授業や実際の投票箱を使用して模擬投票を行うなど、教育機関等と連携した啓発に力を注いでおり、出前授業の昨年度実績は九校でございました。  現在、選挙権年齢の引き下げが国会で審議中でありまして、今後、教育機関等と連携した取り組みの充実が必要であると考えております。 11 ◯観光交流局長(長野信弘君)産業革命遺産世界文化遺産登録を活用した観光振興の取り組みについてでございます。  明治日本の産業革命遺産世界遺産登録が実現いたしますと、本県の観光振興、ひいては地域活性化にも大きく寄与することが期待されます。このため、県といたしましては、構成資産のPRはもとより、九州観光推進機構等と一体となって広域的なモデルルートを設定するなど旅行商品化に向けた取り組みを進めているところです。また、観光関係者等を対象とした研修を実施し、案内体制の充実を図ることといたしております。  今後とも、関係機関等と連携を深めながら、本県の構成資産を活用した観光振興、地域活性化に取り組んでまいりたいと考えております。    [松田浩孝君登壇] 12 ◯松田浩孝君 それぞれ御答弁いただきました。  コメントは最後にすることにして、次の質問に入ります。  夜間中学について伺います。  さまざまな事情で義務教育を修了できなかった人が通う夜間中学。現在は一都二府五県に三十一校が配置され、千八百四十九人が通われております。義務教育の学習機会を充実させる観点から、夜間中学について、文部科学省は昨年、全都道府県に最低一校以上設ける方針を打ち出し、二〇一五年度予算には夜間中学拡充へ向けた予算が盛り込まれました。公明党がかねてから教育機会均等のために主張していた夜間中学支援が大きく前進することとなります。  そこで第一点、本県における義務教育を修了していない人数をお示しいただくとともに、ボランティアが教える自主夜間中学や識字講座の現状、ニーズについて伺います。  第二点は、本県における夜間中学設置への課題について伺います。  次に、改正道路交通法の施行に関連して伺います。  自転車で危険な運転を繰り返す人への罰則が六月一日から強化されました。酒酔い運転など十四項目の悪質運転危険行為で複数回摘発されると、自転車運転者講習の受講が義務づけられます。危険行為をした運転者は、警察官から指導・警告を受け、従わない場合には交通違反切符を交付される。違反切符が三年間で二回以上交付されると、都道府県公安委員会から、三カ月以内に自転車運転講習を受けるよう命じられます。  悪質運転危険行為の中にある安全運転義務とは、具体的にはスマートフォンの操作や音楽を聞きながらの運転、傘差し運転、二人乗り、ほかの自転車との並行運転などで注意を欠き、事故を起こした場合が違反になると想定されております。  そこで第一点、昨年度の自転車関連の事故件数をお示しいただくとともに、今回の改正の悪質運転危険行為の対象となる件数、また、改正の周知について伺います。  兵庫県では、過去十年間で自転車事故が約二倍に増加し、二〇一三年には、小学生が女性をはねた自転車事故で、神戸地裁が保護者に約九千五百万円の損害賠償支払いを命じました。このことから、自転車を利用する人に損害賠償保険加入を義務づける条例が成立され、十月一日に施行されるようであります。  第二点、兵庫県で自転車保険の加入を義務づける条例が全国で初めて成立しましたが、本県も取り組む考えはないか伺います。  次に、地域包括ケアシステムについて伺います。  厚生労働省はこのほど、地域医療介護総合確保基金の総額七百二十四億円で、国費分四百八十三億円と内示されました。この基金は、平成二十六年六月に成立した医療介護総合確保推進法に基づき、介護施設等の整備や介護人材の確保を進めるため、各県に設置することとなっていたものであります。本県においても、この基金を活用して、介護施設の整備や介護人材確保のための事業、さらには地域包括ケアシステムの整備について取り組むことになります。  そこで第一点は、この基金の平成二十七年度本県への内示額をお示しください。また、本県の介護施設の整備や介護人材確保のための具体的な取り組みをお示しください。  既にマスコミで報道されているように、厚生労働省は四月二十八日、第六期介護保険事業計画の全国のまとめを公表しました。全国平均の介護保険料の状況と見込みは、第五期四千九百七十二円、第六期五千五百十四円、平成三十二年度見込み六千七百七十一円、平成三十七年度見込み八千百六十五円でありました。  市町村別に見ると、最高額八千六百八十六円と最低額二千八百円では約三倍の開きがあります。この傾向が続くとすると平成三十七年では、保険料が高い市町村では一万円をはるかに超えるところが出る見込みであります。  高齢者の立場から見ると、二カ月ごとに受給している年金から二カ月分の保険料が天引きされますので、将来的に二万円を超える天引きになることが見込まれます。ことしの年金額は十年ぶりのプラス改定でありましたが、今後、マクロ経済スライドが発動するとますます厳しくなります。各自治体では、介護保険サービスのあり方について、第六期介護保険事業計画期間にどれだけ地域支援事業として軽度者などへの総合事業を実施できるか、重点化・効率化を図る必要が出てまいります。  第二点は、本県における市町村の介護保険料の現状をお示しいただくとともに、各自治体の新しい総合事業への取り組みを県としてどのように支援していくのか伺います。  次に、サービス付き高齢者向け住宅等について伺います。  サービス付き高齢者向け住宅は急激にふえており、四千九百三十二棟、定員十五万八千五百七十九人となっています。今後とも増加が見込まれ、介護保険制度にも大きな影響を与える状況となっております。地域によっては、サービス付き高齢者向け住宅が受け皿となり、特別養護老人ホームの待機者が激減したというところも見られます。  公明党は、昨年の提言の中で、サービス付き高齢者向け住宅に入居されている高齢者が適切なサービスを受けることができるよう、行政指導の基準となるガイドラインを策定すべきと主張し、今回、有料老人ホームのガイドラインが見直され、サービス付き高齢者向け住宅もこのガイドラインの対象となり、今後、七月一日までに各自治体のガイドラインが見直されます。  有料老人ホームについては、未届けの施設が多くあることが指摘されており、厚生労働省では三月にその状況を発表し、北海道や神奈川県、愛知県、大阪府など、限られた自治体に多くあることが明らかになっております。先般の名古屋市内における火災事故のように、適切な運営が求められており、有料老人ホームへの指導内容も緩和し、届け出を進めるよう取り組みが行われているところであります。  佐賀県では、公的な制度の範疇におさまらない地域の拠点として存在する宅老所について、認定宅老所を設置し、防災対策整備に対する補助を行っております。  そこで第一点は、各自治体内で有料老人ホームやサービス付き高齢者向け住宅がどの程度整備されるのか、お示しください。  第二点は、国の有料老人ホームガイドラインの見直しを受け、本県のガイドラインの改正をどのようにするのか伺います。  第三点は、有料老人ホームにならない宅老所の把握状況について伺うとともに、佐賀県が取り組む認定宅老所についてどのように評価されるのか伺います。  第四点は、サービス付き高齢者向け住宅の運営状態がガイドラインに沿う内容となっているのか調査すべきと考えますが、いかがでしょうか。また、特に、入居者の囲い込みなどの実態がないか、介護保険の財政運営に影響がないかなどの調査もすべきでありますが、本県の対応について伺います。  第五点は、介護保険制度上、有料老人ホーム及びサービス付き高齢者向け住宅について、特定施設入居者生活介護の指定がどの程度なされているか伺います。  次に、生活困窮者自立支援制度について伺います。  生活困窮者自立支援法が四月から施行されました。病気や失業、借金などで生活に困窮している人を生活保護を受ける手前から支えることを目的に、福祉事務所がある自治体に相談窓口が設置されます。窓口の支援員は、一人一人の状況に合わせて就労訓練、住宅確保給付金の支給、子供の学習支援などの支援プランを作成します。  子どもの貧困対策推進法に基づき、政府が昨年策定した子どもの貧困対策に関する大綱を踏まえ、現在、各都道府県が、努力義務ながら、子どもの貧困対策計画づくりを行っているところであります。法に基づき制度を立ち上げても、県民がこの制度を知らなければ成果は得られません。また、生活困窮者自立支援制度の対象は限定されておりません。従来の課題別、対象別の制度ではないということを十分理解することが必要であります。  そこで第一点は、本県の相談窓口の設置状況と制度のきめ細やかな周知について伺います。  そもそも生活困窮者の方は、みずからSOSを発することが難しい方々であります。アウトリーチを含めた相談体制や、地域の関係機関や部署との連携体制を構築し、早期発見・早期支援が重要であります。例えば、多重債務等の相談でキャッチしたら、御本人の同意の上、関係部署、関係機関からこの窓口を紹介し、着実に支援につなげるという仕組みは、どの自治体でも取り組みやすいと思いますし、制度の効果を高めることになると思います。関係部署や関係機関との連携を強化し、早期発見・早期支援の体制を構築することが必要であります。  第二点は、相談後の出口戦略として就労準備事業と家計相談事業を実施すべきと考えますが、見解を伺い、二回目の質問といたします。 13 ◯教育長(古川仲二君)夜間中学についてのお尋ねのうち、本県の義務教育未修了者数、自主夜間中学等の現状等についてでございます。  国勢調査では、小学校に在学したことのない者、または小学校を中途退学した者を未就学者として調査しておりまして、平成二十二年度の国勢調査によりますと、本県では三千四百四十八人が未就学者となっております。  文部科学省の全国調査によりますと、識字教室につきましては、本県には、公民館等における外国人のための日本語教室が一件開設されております。また、中学校夜間学級等の設置促進に関する要望等が出された市町村はございませんが、十市町村においては、夜間学級の設置に関し、国の動向を踏まえて検討したい旨、回答いたしております。  次に、夜間中学校設置の課題についてでございます。  中学校夜間学級、いわゆる夜間中学とは、市町村設置の中学校において、通常の授業に加え、夜間にも授業を行うものであり、その設置については市町村教育委員会が判断するものと考えております。設置に当たっては、継続的な入学者の見込み、施設設備の確保、教職員配置、個人差等を考慮した指導のあり方等の検討が必要と考えております。  また、市町村教委が、それぞれの状況により、中学校夜間学級のほか、自主夜間学級や識字学級等の充実も含め、さまざまな支援のあり方を検討することが重要であると考えております。  県教委といたしましては、各市町村の状況を踏まえながら、中学校夜間学級等に係る今国会における立法化の動きも注視してまいりたいと考えております。 14 ◯警察本部長(種部滋康君)昨年度の自転車関連の事故件数等と改正の周知についてでございます。  交通事故に関与した自転車運転者の多くに法令違反があることなどから、自転車の交通事故を防止するため、自転車の運転に関し、交通に危険を及ぼす違法行為を反復して行うなど、将来的に交通の危険を生じさせるおそれがあると認められる者に対し、自転車の運転による交通の危険を防止するための講習の受講を命じる制度が、本年六月一日から施行されているところであります。  本県では昨年、平成二十六年中、自転車運転者の交通違反の検挙はありませんでしたが、自転車関連事故が全人身事故件数の約八・五%に当たる七百十六件発生しております。そのうち二十一件が自転車講習の対象となる違反行為を伴う事故として事件送致しているところであります。  また、今回の講習制度に関する県民への周知につきましては、交通安全教室や各種講習等で行っているほか、テレビ、ラジオ、新聞等による広報にも努めているところであります。今後も引き続き、県民への周知に努めてまいります。 15 ◯県民生活局長(三角浩一君)自転車保険の義務化についてでございます。  全国で自転車の安全利用に関する条例を制定している自治体は六都府県あり、兵庫県を除く五都府県では、自転車保険への加入については努力義務となっております。本県につきましても、自転車による重傷事故が毎年発生しておりますことから、交通安全県民運動の重点項目として自転車の安全利用を掲げ、街頭キャンペーンなどを行っております。  県としましては、自転車保険への加入を義務づける条例の制定までは考えておりませんが、自転車の交通事故防止は重要であると考えておりまして、引き続き、関係機関・団体とも連携しながら、自転車保険への加入促進を含めて、自転車の安全で適正な利用の推進に努めてまいります。 16 ◯保健福祉部長(古薗宏明君)地域医療介護総合確保基金の介護分についてでありますが、今年度の国庫内示額は、介護施設等の整備に約五億八千万円、介護従事者の確保に約八千万円となっております。この基金を活用いたしまして、介護施設等の整備につきましては、地域密着型特別養護老人ホームの整備等への助成を行うこととしております。  また、介護従事者の確保につきましては、介護職への参入を進めますため、若い世代を中心にその魅力を広く伝えますとともに、新人職員の定着・育成を図りますため、その指導を担当する職員の資質の向上などに取り組むことといたしております。  市町村の介護保険料の現状等についてであります。  県内市町村の第六期の介護保険料は平均で五千七百十九円、最高が七千三百円、最低が二千八百円となっております。新しい介護予防・日常生活支援総合事業につきましては、本年四月から五市町が取り組んでおります。  県といたしましては、平成二十九年四月までに全市町村が円滑に実施できるよう、高齢者元気度アップ地域活性化事業を活用した地域の互助活動等を促進いたしますとともに、生活支援コーディネーターの育成や先行事例の情報提供などの支援を行ってまいります。  次に、有料老人ホーム等の現状についてであります。  本年四月一日時点の県内の有料老人ホームの届け出数は二百六十九施設で定員六千百二十六人、サービス付き高齢者向け住宅の登録数は八十一施設で二千戸であり、いずれも年々増加してきております。  有料老人ホーム設置運営指導指針の改正についてであります。  本年七月から適用されます改正後の国の指針を踏まえまして、サービス付き高齢者向け住宅のうち、食事の提供など有料老人ホームの定義に該当する事業を行うものにつきましては、指針の対象として位置づけるとともに、事業者が入居者によるサービスの選択等を阻害してはならない旨を明確にすることなどを内容とする鹿児島県有料老人ホーム設置運営指導指針の見直しを近く行うこととしております。  宅老所の把握等についてであります。  いわゆる宅老所につきましては、統一的な定義がありませんことから、その状況を把握することは困難でありますが、通所介護の設備を利用して介護保険制度外で高齢者を宿泊させる、いわゆる、お泊まりデイにつきましては、県内で九十四事業所が実施しておりますことを昨年九月の調査により確認しております。  佐賀県の認定宅老所は、サービスの質の確保を目的とした事業者団体の自主的な認定制度であり、その多くがお泊まりデイに該当すると聞いております。お泊まりデイにつきましては、最低限の質を担保いたしますため、国が運営等の指針を定め、本年四月から届け出を義務づけたところであり、県におきましては、今後、国の指針に基づきまして、実施事業所に対し適正な運営がなされるよう指導してまいります。  サービス付き高齢者向け住宅の運営状態の調査についてであります。  県といたしましては、見直し後の有料老人ホーム設置運営指導指針に基づきまして、対象となるサービス付き高齢者向け住宅につきましては、定期的な立入調査を実施し、適正な運営がなされているか。特に、運営事業者による囲い込みなどの実態がないか確認するなどいたしまして、必要な指導を行っていくこととしております。  囲い込みなどによる過剰なサービスが提供されますと、介護保険の財政運営への影響が懸念されますことから、市町村が行うケアプランチェックへの支援や実地指導を通じまして、介護給付の適正化が図られるよう努めてまいります。  特定施設入居者生活介護の指定状況についてであります。  県内で特定施設入居者生活介護の指定を受けている施設は、本年四月一日時点で、有料老人ホームが五十施設、定員千七百五十三人、サービス付き高齢者向け住宅が二施設、定員五十人となっております。  生活困窮者の自立支援のための相談窓口の設置状況等についてであります。  生活困窮者自立支援法に基づきまして、県内では十九市二町、県の地域振興局・支庁が相談窓口を設置しておりまして、現に経済的に困窮し、最低限度の生活を維持できなくなるおそれのある方、いわゆる生活困窮者ですけれども、こういう方から相談を受けまして、必要に応じて、自立支援計画の作成や住居確保給付金の支給等の支援を行っているところであります。  また、県では、相談支援機能の充実を図りますため、関係機関から成る連絡会議におきまして、情報の共有と連携の強化を図るとともに、研修会の開催等により、相談支援員の資質の向上に取り組むこととしております。  この制度を県民の方々に周知するため、県政かわら版による広報を行いましたほか、制度の概要を掲載したパンフレットを作成し、市町村や社会福祉協議会等の窓口で配布するとともに、各種福祉団体等に対し、制度に関する説明会を開催しているところであります。  就労準備支援事業と家計相談支援事業の実施についてであります。  生活困窮者の自立に向けましては、生活習慣の形成のための訓練や社会的能力の習得、就労のための技法や知識の習得等について支援が必要な場合や、家計収支の改善、家計管理能力の向上等のための支援が必要な場合など、さまざまなケースが想定されまして、生活困窮者一人一人の状況に応じたきめ細かな支援を行うことが重要であると考えております。  このようなことから、県といたしましては、今年度の自立相談支援事業の実施状況等も踏まえまして、今後、御指摘の就労準備支援事業や家計相談支援事業など、生活困窮者自立支援法に位置づけられました各種事業の実施について検討してまいりたいと考えております。 17 ◯松田浩孝君 自席より、教育長に一点だけ再質問させてください。  夜間中学について質問いたしました。未就学者は三千四百四十八人で、確かに市町村が判断する設置だと思うんですが、県教委として夜間中学の設置は必要だとお考えなのか、お聞かせください。 18 ◯教育長(古川仲二君)先ほど御答弁申し上げましたように、夜間中学の設置の必要性については、まさに地域の実情を踏まえて、第一義的には市町村教育委員会において御判断いただくということであろうと思っております。そして、いろいろ御相談がございますれば、私どもとしては、全県的な立場からアドバイス、御支援を申し上げたいと思っているところでございます。    [松田浩孝君登壇] 19 ◯松田浩孝君 それぞれ御答弁いただきました。  奨学金につきましては、鹿児島に帰ってきて働きたい若者はたくさんおります。しかし、給料が低いということ、雇用がないと思っているミスマッチがあります。かごしまニューライフプランの中に、「若者世代については、就職に際し、安易な大企業志向などから県内の中小企業等を就職先と考える意識が薄い現状があり、このことが、雇用のミスマッチの一因となっている面があります」と提言されております。  そこで、鹿児島に帰ってきて就職することで奨学金返還が減免される制度の導入によって、まずは帰ろうとのインセンティブになると考えます。保護者も安心して県外の大学へ送り出すことができると考えます。中央から一番遠い県だからこそ取り組むべきだと強く要望しておきます。  県議会に地方創生に関する特別委員会も設置される予定であります。県の調整機能を発揮して、若者世代の移住も含めた流入人口の増加のために、移住・交流促進により一層取り組まれるよう要望しておきます。  期日前投票を推進するための投票所入場券の工夫については、四市町村が取り組んでいるとお聞きしました。県選管としてさらなる推進をしていただきたいと申し上げます。  明治日本の産業革命遺産九州・山口と関連地域の世界遺産登録については、国民文化祭の鹿児島開催に比べると、県民の機運醸成はいま一つの感がいたします。また、軍艦島など、ほかの地域と比べても情報発信が弱いと感じます。鹿児島県の魅力を世界に情報発信する絶好の機会であります。観光振興、地域活性化の絶好の機会でありますので、周辺の整備も含めて、万全な取り組みを要請いたします。  最後に、安全保障を取り巻く環境はさま変わりしております。この変化に対応して、国民の命と暮らしを守り、国際社会の平和と安全に貢献していかなければなりません。今国会に提出された平和安全法制の関連法案の本来の目的はシンプルでわかりやすいものです。  問題は、法律の中身となると、安全保障にかかわる専門的な言葉が多く、難解なことであります。例えば、自衛隊の出動が想定される○○事態という用語が飛び交うと腰が引けてしまう。計十一本もの法案のポイントを押さえるだけでも大変です。このわかりにくさも一因してか、野党の一部などが、戦争法案、アメリカの戦争に巻き込まれると不安をかき立てております。今回の法案は、武力行使は日本防衛のために限るとする専守防衛の理念を堅持しており、一連のレッテル張りは、PKO法のときの大騒ぎと同じで根拠のない言いがかりにすぎません。  公明党は、与党協議を通し、自衛隊の海外派遣に国会の事前承認などの歯どめをかけました。拓殖大学の森本教授は、「公明党は健全な抑制要因となった。与党内で野党的役割を果たした結果、バランスのよい法制になった」と評価しております。国会において、丁寧かつわかりやすい説明で、無責任なレッテルを剥がし、国民の間にある不安感を解消していただきたいと申し上げ、質問を終わります。(拍手) 20 ◯議長(池畑憲一君)次は、永田憲太郎君に発言を許可いたします。
       [永田憲太郎君登壇](拍手) 21 ◯永田憲太郎君 自由民主党の一員といたしまして、一般質問をいたしてまいります。  ただいまの松田議員と重複する部分がありますので、できるだけその重複部分は避けて質問したいと考えておりますが、何しろ直後ということで時間的な問題もありまして、調整不能であります。したがいまして、重複した部分については賞味期限切れみたいな部分もあるかもしれませんけれども、お許し願いたいと思います。  まず最初に、地方創生について質問いたします。  我が国は、二〇〇八年に人口減少時代に突入したとお聞きいたしております。今後は加速度的に人口が減少していくということであります。厚生労働省の人口問題研究所の発表によりますと、二〇六〇年は八千六百七十余万人に減少するということだそうです。その五十年後の二一一〇年は四千二百八十六万人と推計値が出されております。現在の一億二千万人から急速に人口が減少していって、四千万人台まで人口が減っていくというわけでありますから、これはすさまじい人口減少の流れであります。  国は、二〇六〇年に一億人を確保するといった目標を立てまして、まち・ひと・しごと創生事業に乗り出しました。国の分析によりますと、人口減少の原因は、大都市圏では超出生率低下を挙げております。また地方においては、出生率の低下とともに、首都圏への人口流入、これが大きな原因だと言っております。  このような原因を踏まえまして、人口減少に歯どめをかける、これが今回の地方創生のミッションであります。この地方創生のミッションに基づいて、国は、地方に総合戦略策定を求めているわけでありまして、それが今日の課題であると認識いたしております。  一方、本県は、かごしま将来ビジョンを二〇〇八年に作成いたしております。かごしま将来ビジョンの人口動態の将来像によりますと、二〇〇六年は約百七十四万人の本県の人口が二〇三五年、約三十年後には三十年間に約三十五万四千人減少するという推計値を出しております。鹿児島の人口が約百三十九万人まで落ち込んでいくというわけであります。  しかし、かごしま将来ビジョンあるいはニューライフプラン等で、本県は、現状と課題を検証して取り組みの方向性を指し示すことはできても、予算の裏づけが大変薄いために、この取り組みを推進するにおいて、ダイナミックな推進はなかなかできてこなかったと、私はそう認識いたしております。  人口減少対策は、一地方、一県だけでできることではもちろんないわけでありまして、地方だけでこれを推進するということは大変なことで、まず不可能に近い話でございます。今回、国は、年間一兆円を地方財政計画の枠にはめ込みまして、そしてこれを五年間継続していくと言っております。いわゆる地方創生事業、この流れに乗らないということはないと考えるわけであります。私どもは今回のこの地方創生の流れに乗って、そして地方の活性化、まずこのことを実現していかないといけないと考えます。  地方創生につきましては、各自治体において、末端自治体においても既に取り組みが始まっているようでありますが、そのほかにも全国さまざまな分野から参入の情報が入ってきております。一つには、日本政策投資銀行は、地方創生の取り組みの一環として、地域の銀行と提携して、観光や食といったテーマごとに支援体制をつくっていく地域みらいづくり本部を設置いたしたとお聞きいたしました。そのモデルケースとして、先般、新聞紙上で報道されておりましたけれども、中四国六地銀との提携と大見出しで出ておりました。これは、日本政策投資銀行と地域の六地銀が提携して、瀬戸内海地域の観光を支援していこうという取り組みだそうであります。  そして、日本政策投資銀行と地銀との提携のほかに、兵庫、岡山、広島、山口、徳島、香川、愛媛の七県でつくる瀬戸内ブランド推進連合という組織があるそうですが、いわゆる地域との連携もつくっていくといった取り組みが伝わってまいります。  本県においても、鹿児島銀行の上村頭取が、「鹿児島県内の総合戦略策定に当たっては鹿銀としても全面的に御支援申し上げたい」といった談話を発表いたしておりますし、鹿児島相互信用金庫も、銀行業務の遂行の一環ではあるかもしれませんが、ビジネスマッチングやあるいは地域貢献活動ということで、地域との連携を模索しているとお聞きいたしております。  ビジネスマッチングにおいては、昨年十月に、そうしんまるごと食・観商談会in薩摩川内市を開催いたしております。薩摩川内市地区の事業者五十一社を含めて、二万二千五百人が参加したという報告がありますが、この中には、中国大連市や香港、韓国等のバイヤーもたくさん集まって商談会が開催されたそうでありますし、同じようなビジネスマッチングでありますけれども、指宿でも開催されたという報告があります。  またかわって、民間有識者会議の日本創成会議、ここが首都圏の医療と福祉を課題といたしまして、地方において医療・介護面での受け入れ体制が整っている地域に首都圏の高齢者を移住させたらどうかといった提言をいたしましたと報道されておりましたけれども、早速、まち・ひと・しごと創生会議でこのことを受けとめている記事が出されております。まち・ひと・しごと創生会議では、日本創成会議の提案を受け入れまして、日本版CCRC構想を推進しようとしているとお聞きいたしております。  このようにして国は、産官学金労言、先ほど松田議員の発言の中にもございましたが、これらの総力を挙げて地方創生を推進していくといった姿が見えてくるわけであります。  このようなことを踏まえまして、以下質問いたしてまいります。  本県の人口減少に歯どめをかけて地域の活性化を創生するためには、本県の南に開かれたアジアの玄関口としての地理的優位性など地域特性や可能性を生かしながら、総合的な取り組みを行っていく必要があると思います。  地方創生について、県は、どのような体制で、そしてどの点に重点を置いて取り組むおつもりなのか、知事の見解をお伺いいたします。  また、県は、鹿児島県版の地方創生総合戦略の策定に向けて、地方創生推進本部を設置いたしております。本県の総合戦略を実効性のあるものにするためには、地方創生の推進体制やプロジェクトが重要であると思われることは理解できるわけであります。  ただ、国は、地方版総合戦略の策定に当たっては、例えば、産官学金労言などで構成される推進組織で審議するなど、広く関係者の意見が反映されるようにすることが重要であるとしております。庁内の推進組織で検討を進めるだけでなく、早い段階で外部の有識者の意見を聞き、施策に反映することも必要であると思われますが、有識者の参画について県としてどのように考えておられるか、お尋ねいたします。  第三点目といたしまして、地方創生は、我が国の喫緊の課題であり、市町村とも情報共有や意見交換等を行いながら、連携して地方創生に取り組む必要があります。市町村においては、地域の特性や地域資源を生かした取り組みや地域住民の意見を踏まえたさまざまな主体と連携した取り組みに加え、経済、文化、地理的状況等の観点から、周辺市町村等との広域的な連携・協調などの視点を踏まえた取り組みも重要であると考えられます。地方創生に関する市町村における広域的な連携について、県はどのように考えておられるかお聞かせください。  第四点といたしまして、地方創生の取り組みについては、県内のみにとどまらず、県域を超えた連携した取り組みも必要と考えますが、九州各県あるいは南九州三県と連携した取り組み状況について、どのように考えておられるか、お伺いいたします。  最後に、地方創生の財政的な問題についてお伺いいたします。  地方創生の財源確保については、国で地方財政計画の中に一兆円枠を設けて、これを五年間継続すると言っておられますけれども、その一方で、国は、二〇二〇年にプライマリーバランスを黒字化するといった計画を持っているとお聞きいたしております。そして、二〇一八年にGDP比三・三%の赤字を一%にまで縮小するとも言っております。  そのため、このような背景を考えるときに、今後、国が財政健全化に取り組む中で、まち・ひと・しごと創生事業費や地方創生関連の交付金などが縮小されて、地方創生の推進に支障が生じることが懸念されます。私は、このことについて県はどのように考えておられるのか、今後どのように取り組んでいかれるのか、お尋ねしたいと思います。    [知事伊藤祐一郎君登壇] 22 ◯知事(伊藤祐一郎君)地方創生についてのお尋ねであります。  地方創生は、人口減少、少子高齢化が急速に進展する中、国と地方が総力を挙げて取り組まなければならない課題でありますが、県におきましては、地方創生に取り組むためには、何よりも本県の成長・発展につながる具体的なプロジェクトの掘り起こしが重要であると考えております。このため、四月に、実務的なメンバーによります地方創生推進本部を設置し、平成二十七年度中に本県における総合戦略を策定することといたしております。  策定に当たりましては、本県の地域特性や可能性を最大限に生かしながら、県民一人一人が生涯安心して働き、安定した生活を送ることができますよう、従来の少子化対策や産業振興対策、定住や移住の促進など地域経済活性化のための諸施策の充実を図りますとともに、何よりも、本県の基幹産業である農業を初めとする第一次産業や観光産業などの重点的な振興を図ることが重要であると考えており、県といたしましては、これまでの関連施策の充実に努めるとともに、市町村とも連携を図りながら、本県の将来を見据えた実効性を伴う施策の展開に努めてまいりたいと考えております。 23 ◯企画部長(岩切剛志君)地方創生推進のための有識者の参画についてであります。  地方創生に取り組むためには、本県の実情に沿った実効性を伴う施策の展開を図ることが重要であると考えておりまして、本県の成長・発展につながる具体的なプロジェクトの掘り起こしが何よりも重要であると考えています。そのため、総合戦略の策定に当たりましては、県民の代表である県議会における御議論も十分に踏まえますとともに、本県の地方創生の取り組みなどについて、今後、地域の産業や経済等に知見を有する専門家などの外部有識者による有識者懇話会─仮称─を設置し、必要な助言をいただくこととしているところであります。  九州各県との連携についてであります。  昨年十二月、九州・山口地域の知事と九州の経済界の代表が参加する九州地域戦略会議におきまして、地域の特徴や地理的優位性を生かし、九州・山口地域が一体となって取り組む地方創生の具体的取り組みを企画立案することを目的として、分野別にプロジェクトチームを設置したところであります。  具体的には、しごとの場づくり、教育環境づくり、出産等の希望が叶う社会づくり、安心・安全なくらしづくりの四つのプロジェクトチームを設置し、九州・山口地域が一体となった具体的取り組みを検討しているところであり、先日開催されました戦略会議において中間報告がなされたところであります。  今後、戦略会議において、九州・山口地域で連携した取り組みについてさらに検討し、最終報告を行うこととしており、県としましては、今後とも九州各県との連携も図りながら、真の地方創生の実現に向けて努めてまいります。 24 ◯総務部長(寺田雅一君)地方創生に係る市町村の広域的連携についてでございます。  市町村が地方創生の取り組みを進めるに当たりましては、複数市町村が連携して、広域観光や都市と農村の交流などに取り組むことも期待されているところでございます。県におきましては、市町村職員を対象とした説明会や各地域振興局・支庁等で開催した管内市町村との意見交換会等におきまして、総合戦略等の検討に当たりましては、広域的な視点も踏まえるよう助言等を行っているところでございます。  これまで、奄美大島の五市町村は共同で人口ビジョン及び総合戦略を策定し、島内の広域的な連携、施策のより一層の充実を図ることとしておりますほか、指宿市等三市一町におきましては、連携して海外からの観光誘客や海外での販路開拓に取り組むこととするなど、広域的な連携の動きが見られるところでございます。  県といたしましては、今後とも、広域的な連携も含めまして、市町村における地方創生に関する取り組みが推進されますよう、情報提供や助言などの支援を行ってまいります。  次に、地方創生のための財源確保についてでございます。  人口減少を克服し、地方創生を実現するためには、国と地方が連携・協力して対応するとともに、地域の実情に応じた取り組みを行うことが重要であり、財源措置につきましては、地方が自主性、主体性を最大限に発揮できる継続的な仕組みが必要であると考えております。  そのため、県といたしましては、国に対し、地方公共団体の自由度が高い包括的な交付金を創設するとともに、地方公共団体が自主的な取り組みを行うことができるよう必要な歳出額を地方財政計画に計上し、地方交付税を充実すること、また、その配分に当たりましては、離島や過疎地域など条件不利地域に十分配慮した仕組みとすることにつきまして、県開発促進協議会や全国知事会等を通じまして、引き続き要望を行ってまいりたいと考えております。 25 ◯永田憲太郎君 自席から二点だけ質問させていただきます。  県は、「鹿児島版地方創生総合戦略については、庁内推進本部を設置して、従来のプロジェクトを掘り起こす」と三月議会で答弁しておられますし、また、今回もそのような答弁をいただいたところであります。従来のプロジェクトについて、これは事務的作業だけではなく、検証を加えて再構築するという意味合いも含んでいるのではないかと思うわけでありますが、私は、そういうことであれば、ぜひ早期での有識者懇話会といったものを開催していただき、その方々の意見も聞くべきだと考えておりますが、このことについての御意見、御答弁を賜りたいと思います。  次に、国は、産官学金労言というワードを使って、幅広い外部有識者の意見を反映することを求めていますが、私は、そのほかに民の立場を加えるべきだと考えております。県議会では特別委員会を設置する方向で今、進んでおりますので、この県議会での審議が民の立場を代表するものになるといった考えもございますけれども、国は、女性、若者、高齢者などあらゆる人の協力・参画という表現で、民の取り込みを促しております。  県としては、地方創生総合戦略策定に当たって、民の立場をどのように捉えておられるのか。さらに、推進本部の中に民の参加を考えるべきだと思いますが、この件についても御答弁をお願いいたします。 26 ◯企画部長(岩切剛志君)県の総合戦略を進める上で、早期の民の参加等々についてのお尋ねがありました。  先ほど御答弁申し上げましたが、地方創生に取り組むためには、本県の成長・発展につながる具体的な実効性のあるプロジェクトを構築していく必要があると考えておりまして、現在、全庁的な体制であります県の地方創生推進本部において検討を進め、今後、県議会の御議論を踏まえて、総合戦略を策定していきたいと考えているところであります。  有識者懇話会─まだ仮称でございますけれども─につきましては現在、設置に向け必要な作業を鋭意進めているところでありますが、お話にありました本県の実情等に対する御意見等もいただけるような観点も含め、メンバーの検討を行っているところであります。    [永田憲太郎君登壇] 27 ◯永田憲太郎君 総合戦略の中で、有識者懇話会の設置というのを考えておられる旨の答弁をいただきました。ぜひそのような方向で進めていただきたいとお願いするわけであります。  世に、お膳立てという言葉があります。ごちそうをつくって並べて、さあ食べなさいということでありますけれども、「これについて何か意見を言ってください」といいましても、お膳立てされた料理については、お膳立て以外の料理をなかなか頭に浮かばないだろうと思うんですね。お膳立てする前に、一緒に有識者の方々とお膳立てしていくといったような姿勢が必要じゃないかと考えまして質問したわけでありますので、よろしくお願い申し上げます。  また、九州・山口地域における戦略会議を設置しているとのことでありまして、このことについては大いに賛成するところであります。鹿児島が今後、環黄海経済圏の中でどういった役割を果たしていくのか、そして日本の中でどのような立ち位置でこのことを進めていくのか、そういうことが鹿児島の今後の進め方として非常に特徴のある、そして説得力のある言葉になってくると思います。九州の中で鹿児島が果たす役割、このことを明確にお互いに認識していく必要があると思うわけであります。  それでは、若者の雇用対策について質問いたします。  平成二十七年三月卒業生の就職内定率が公表されております。ことし三月卒業していった高校生の就職内定率でありますけれども、高校生は九九・一%とお聞きいたしました。短大生は九七・四%、大学生は九三・三%となっておりまして、一時期からすると非常にいい数字になってきているなといった感想を持つわけであります。  このことをリーマンショック後の平成二十二年三月と比較してみますと、その数字の差異がはっきりと感じられるわけであります。高校生の場合、この時点で九五・七%と発表されております。短大生は九〇%を切っており、八三・五五%。大学生も八二・七%、こういった状況であったわけであります。  学校を卒業してもあしたからする仕事がない、これほど惨めなことはないなと思うんです。あのリーマン・ブラザーズ倒産後の世界的な大不況が吹き荒れた状況の中で、雇用が相当冷え込んでいきましたが、このような中で、若者の雇用を求める社会的な声がエモーショナブルに響いていたのを思い出します。  麻生政権のときだったと記憶いたしておりますが、このときに緊急雇用創出事業臨時特例基金事業が創設されて、こういった若者に対する就職の支援体制が整ったと認識いたしております。本県はことし、この事業に基づいて七億二千万円を計上しておりますけれども、この事業もことしで終了とお聞きいたしました。数年前のあの雇用の冷え込みを考えますと、隔世の感がするわけでありますけれども、しかしながら、これは、卒業していく新卒業生が、あしたから働く場所が既に内定しているといった状況がはっきりと見えてくるわけでありますので、大いに歓迎したいことだと思っております。また、今後は、未内定のまま卒業した未就職者に対しましては、若者就職サポートセンター、あるいはハローワークのジョブサポーター等において、早期就職が決定するように支援しているとのことでありますので、ひとまずは安心といったようなことであります。  このように手厚い雇用支援の中で、この数年間、私は若者の雇用状況について調査もし、発言もしてまいりましたけれども、若者の雇用環境が改善されつつある中で、それでも若者の離職率の状況といったものは一向に改善されていないということが非常に気がかりであります。このことについて問題意識を持っているわけであります。  社会や学校や家庭や周りが応援してせっかく就職しても、三年内で離職していく若者が後を絶ちません。四十数%の若者がせっかく就職した職場から離れていっております。これは本県だけの問題ではありません。全国的な傾向であるとお伺いいたしております。  このことは、新たな若者の雇用対策としての課題であろうと考えまして質問するわけでありますけれども、県内の新規学卒者の早期離職率の状況とその対策についてどのようにお考えか、お聞かせいただきたいと思います。  ことしの四月二十六日に東京で、UIターン就職応援フェアin東京が開催されたとお聞きいたしております。商工会議所と県の共催だったということであります。このフェアに参加した企業等の中で、大変好評だったとお聞きいたしまして喜んでいるところでありますが、このフェアに県の積極的な姿勢が見えてこなかったことは気になっているところであります。  しかしながら、県は、来年三月に同様なフェアを開催するという予定を持っておられるとお聞きいたしました。来年三月には、大学生の就職活動解禁の時期に合わせて、従来から開催している福岡での企業説明会に加えて、東京、大阪でも企業説明会を開催していくとのことであります。国が進めようとしている、まち・ひと・しごと創生事業の中で、首都圏一極集中を変えていこうといった政策が追い風になっていくのではないかと考えまして期待するところでありますが、質問いたします。  鹿児島県UIターン就職応援フェアin東京、この開催に当たって、関係団体との連携・協力体制を含めた今後の取り組みについて教えていただきたいと思います。  質問の第三点であります。  新規高卒者の県内就職率を高めるためには、鹿児島県内企業の学卒求人の早期提出が肝心であると私は要望して発言してまいりましたが、県は、このことを真摯に受けとめていただいて、雇用ローラー作戦に取り組んでいただいているところであります。また、今年度は、昨年より一カ月前倒しして六月十一日に要請活動を行ったとお聞きいたしておりますが、緊急ローラー作戦の成果、そして課題をお聞かせください。  質問の第四点であります。  若者が夢と誇りにあふれて社会に巣立っていく姿を眺めているのは大変喜ばしい光景であります。願わくばこの若者たちが自分の希望する職場を得て、そして生きがいの持てる仕事にめぐり会ってほしいものだと考えます。そのために、私は議会でたびたびインターンシップの必要性を訴えてまいりました。インターンシップの実施状況は、高校教育課で、平成二十五年においては七十一校、八千五十三人がインターンシップを経験しているとのことでありますが、以前、原田教育長のときにこのことをお尋ねいたしましたら、その御答弁の中で、「インターンシップは非常に大事である」とお答えになったのを覚えているわけであります。  新社会人として社会に出るに当たり、職業観や勤労観を醸成しておくことは大変重要なことであります。また、新卒者の三年以内の早期離職状況を見てみますと、離職に際する仕事観、家庭環境の影響も大きいと思われます。そのような意味から、社会に通ずる仕事観や職業観、勤労観を育成するためにインターンシップは大変有用であり、できれば幼稚園や小学校といった早い時期から取り組むべきであると私は考えております。  そこで、新しく古川教育長が就任されたわけでありますので、お尋ねしたいわけでありますが、インターンシップの必要性についての新教育長としての御認識をお聞かせ願いたいと思います。  これで、二回目の質問といたします。 28 ◯商工労働水産部長(武盛武士君)若年者の雇用対策についてお尋ねがございました。  まず、県内における新規学卒者の早期離職状況についてでございます。  三年以内の離職率は、平成二十三年三月の卒業生の場合、高校生四六・三%、短大生三九・一%、大学生三八・五%で、短大生を除き、全国平均より高い状況です。  早期離職の防止対策としましては、高校生を例にとりますと、高校一、二年生時に、職場見学を通じて県内企業への理解と認識の醸成を図りますとともに、インターンシップにより職業意識の高揚を図っております。三年生の就職活動時には、実際の仕事や職場への理解を深めるため、夏休み中に求人事業所の職場見学を行っています。また、内定後は、採用までの間を利用してビジネスマナー等の講座を開催しており、採用後は、職場定着のためのセミナーを実施するなどしているところでございます。  これらの国や関係機関とも連携した取り組みなどを通じまして、今後とも、新規学卒者の早期離職の防止に努めてまいります。  次に、就職応援フェアの成果と今後の取り組みについてでございます。  本県では、人口減少社会を迎える中、特に若者の県外流出が課題でありまして、県内高校生や大学生の約半数が県外に就職しています。また、大学進学者約六千人のうち約四割が、福岡圏、首都圏、関西圏に進学しています。  地方創生において、地方への新しい人の流れをつくるためには、都市部の大学への進学者等を対象とした取り組みの強化が必要でありますことから、これまで福岡のみで開催しておりました企業説明会を、大学生の就職活動が解禁となる来年三月から、新たに東京、大阪でも開催することといたしました。  一方、鹿児島商工会議所から、来春の卒業予定者等を対象に、ことし四月に東京において行えないかとの提案がありました。これは、県が予定している事業を実質一年前倒しで行う効果がありますことから、同商工会議所と共催で実施したところでございます。このフェアには、目標人数七十人に対し、百三十九人の参加者がございました。今後、来年三月に県が実施する際におきましても、鹿児島商工会議所を初め、民間団体等とも十分協議・連携して取り組んでまいりたいと考えております。  雇用確保ローラー作戦の成果と課題についてでございます。  県では、例年七月から九月にかけまして、経済団体や県内企業約二千二百社を対象に雇用確保ローラー作戦を展開し、新規学卒者の採用枠の確保や採用選考の早期実施等について要請活動を行ってきております。その結果、高校生の就職活動が始まる七月時点における県内企業の早期求人提出率は、この五年間で四五・五%から六七・一%と大幅に改善し、新規高卒者の県内就職率のアップに一定程度の効果があったと考えております。しかし、依然として県外企業のほうが早期求人提出率が高くなっております。そのため、県内企業の早期求人提出率をさらに高めるため、今年度から、高校への求人票提示が開始となる七月一日を見据えまして、一カ月前倒しの六月一日からローラー作戦を開始したところです。  今後も、例年同様、県内企業に要請を行いますとともに、七月に開催いたします県内企業と高校等就職指導担当者との情報交換会の機会も積極的に活用し、県内企業への一層の就職が促進されるよう努めてまいります。 29 ◯教育長(古川仲二君)インターンシップの必要性についてでございます。  インターンシップにつきましては、主体的な職業選択の能力やコミュニケーション能力の向上などの教育的効果が期待されますことから、平成二十六年度は全ての公立高校で実施したところでございまして、この結果、在学中に一回でもインターンシップを経験したことがある生徒の割合も六六%と、全国を大きく上回っているところでございます。また、小・中学校でも、地域での職場見学や職場体験を行うなど全ての学校で発達段階に応じた勤労観、職業観の醸成に努めているところでございます。  県教委といたしましては、専門高校を中心に、地域の特性を生かした教育を展開し、地域産業を担う人材の育成を図りますとともに、経済団体や事業所等の協力も得ながら、インターンシップをさらに充実させることで、生徒の地元企業についての理解を深めさせ、地元企業に就職する若者をふやすなど地方創生の観点も含めた取り組みの推進に努めてまいりたいと考えております。    [永田憲太郎君登壇] 30 ◯永田憲太郎君 緊急雇用ローラー作戦あるいはインターンシップ教育、これは地方創生事業とも大いに関連すると考えております。緊急ローラー作戦、これにつきましては当局といたしましても真剣に取り組んでいただいているところでありますが、このローラー作戦を開始してから、県内の企業の求人提出票が非常に多くなったとお聞きいたしております。さらに、県内に仕事を求める新卒業生の内定率も高まってきているとお聞きいたしております。  新卒業生ができるだけ地元に残って、そして地元で就職して、地元に貢献していただく。これが地方の人口減少に歯どめをかけるという、まち・ひと・しごと創生事業のミッションでありますので、このことは大いに歓迎したいと考えております。  また、インターンシップにつきましては、一〇〇%の学校で実施しておりますということでありました。では、生徒数としてはどのくらいなんですかとお尋ねいたしますと、六六%の生徒がこのことを経験しておりますということです。高校生であります。大学受験を控えて受験勉強に忙しい生徒もたくさんいらっしゃるわけでありますので、生徒の経験が一〇〇%というのはこれは無理な注文かなと私は受けとめております。  学校においては一〇〇%、どこもこのことを推進していますよということでありますので、今後ともこのことはぜひ教育委員会として力を入れていただきたいとお願い申し上げますとともに、幼稚園、小学校など低年齢層の勤労観、職業観、仕事観を育成するための事業といったことも今後、取り組んでいただきたいとお願い申し上げておきます。  今回の県議会議員の選挙におきましては、投票率の低下が非常に大きな問題になりました。先ほど松田議員の発言の中にもありましたので、賞味期限切れの発言になるかもしれませんけれども、我慢してお聞きいただきたいと思います。今回の県議選は、四八・七%、五〇%を割った投票率。前回が五三・三三%だったそうでありますから、前回と比べて、またがくんと落ちているわけなんですね。四十年前は八〇・二三%という記録があるそうでございますので、約半分ぐらいに投票率が落ちてしまっているということになると思います。  そのような中で、先ほどの御答弁の中にもありましたけれども、期日前投票のウエートが年々ふえてきているように感じます。今回、期日前投票率が一二・七%、全投票数に対して二六・四八%を占めているそうであります。また、キャンパス内における期日前投票所設置、これは鹿児島大学内に設置したそうでありますけれども、この期日前投票の投票者総数というものは六百二十八人であったと、御答弁が先ほどありました。同じように、中央駅前のキャンセビルの勤労交流センター内に置かれた期日前投票所では三千九十六名が投票しているそうであります。このことは、今後の期日前投票のあり方として検証して、そして参考にしていく必要があるなと感じるわけであります。  また、今回の啓発運動としては、街頭やテレビやチラシなどで盛んに啓発運動をしましたということでございましたが、特に、若年層向けには御当地キャラクターを使ったりして啓発活動を行ったそうであります。私は、選挙で忙しかったからかどうかわかりませんけれども、この御当地キャラクターと対面する機会は最後までございませんでした。いろんな場所でこのことを取り組まれたんだろうと思っております。  分析の結果、お聞きいたしますと、いわゆる棄権年齢というものが二十代と三十代で最多数だそうであります。無関心層が増大しておりますといったことをお聞きいたしました。  お聞きする中で一つ気になりましたことが、投票所設置は統廃合で県内で四十七カ所減少して、千二百二十六カ所になったということでありました。この投票所の減少については、反省点としてまた考えていくべき課題ではないかなと思うわけであります。市町村合併の結果に伴って投票所設置も少なくなっていった。これでは少し残念な気がいたします。  投票所設置がどうして少なくなったんですかとお聞きいたしましたところ、投票に立ち会う人材が確保できないという事情があったと。市町村の事情でしょうけれども、投票に立ち会う人材がいなかった、足りなかった、不足していたということでありますので、これは努力することによって何か解決できるのではないかと感じます。  以上のことを申し上げまして、私の手元に県議選直後に要望というか、意見が寄せられましたので御紹介して、そして御答弁を願いたいと思います。  「今回の県議会議員選挙は、統一地方選挙として四月十二日に執行された。この時期は定期異動の時期と重なり、多くの方々が居住する市町村から他の市町村に転居することになる。県議会議員選挙の場合、県内の他の市町村に転居しても、不在者投票制度等を利用して投票を行うことができることになっているが、転居前の市町村選挙管理委員会に投票用紙を郵送で請求するなど、煩雑な手続と若干の経費負担が発生することになる。このうち、不在者投票を行うために若干なりとも経費を要することについて、有権者として当然の権利である選挙権を行使するにもかかわらず、経費がかかる人とかからない人がいるのとでは不平等が生じるのではないかとの声もある。低下傾向が続いている投票率の向上につなげるためにも、このような不在者投票に伴う有権者の負担を軽減することも必要だと考えるが、現在の制度はどうなっておりますか。また、制度の改正等は予定されていないのですか、教えてください」ということでありました。
     不在者投票については、住民票との関係で私は個人的には当然なことであって、別に大きな問題としても受けとめておりませんでしたけれども、こういう手紙をいただきますと、なるほど、そういった考え方をする方もいらっしゃるんだなと改めて感じたところであります。そして、投票率を上げるということは、こういった小さいところから心を砕いて、そして県民の方々が御納得していただけるような方策を、それこそ先ほどの話ではありませんが、お膳立てしていくということが大事じゃないかなと思うわけであります。  来年は鹿児島市会議員選挙があります。七月は参議院選挙、そして知事選挙もあると思っておりますが、七月の選挙までは、いわゆる他の市町村に転居して、もともとあった市町村からの異動等によって三カ月以内、四カ月以上は抹消ということになっておりますので、三カ月以内にかかる方も出てこられるわけでありますので、鹿児島市議選あるいは知事選、参議院選挙に…… 31 ◯議長(池畑憲一君)永田憲太郎君に申し上げます。  残り時間に留意して質問をお願いいたします。 32 ◯永田憲太郎君 これらの選挙に差し支えないような形でのお取り組みをお願い申し上げたいと思います。 33 ◯選挙管理委員会委員長(鎌田六郎君)不在者投票に伴う有権者の負担軽減に関連いたしまして、現在の制度と改正等の予定の有無についてお尋ねがございました。  不在者投票は、当日投票の例外といたしまして、選挙期間中、選挙人名簿登録地以外の市町村の選挙管理委員会で投票するなどの方法により、選挙権の行使を可能とするものであります。この制度を利用するためには、あらかじめ選挙人名簿登録地の市町村選挙管理委員会に郵便で投票用紙を請求するなど、法令に基づく手続が必要とされているところであります。  現在、国におきましては、選挙の諸手続に関しまして、投票用紙のオンライン請求など投票環境の向上や有権者の負担軽減のための方策が検討されているところであります。    [永田憲太郎君登壇] 34 ◯永田憲太郎君 投票用紙のオンライン請求は、選挙投票率向上のため国で中間取りまとめを行っておりますが、この内容によるものであろうと思います。国での見解がまとまったら、できるだけ早く県民の皆様方に啓蒙していただくようにお願い申し上げておきたいと思います。  以上で、私の質問を終わります。ありがとうございました。(拍手) 35 ◯議長(池畑憲一君)ここで、休憩いたします。  再開は、午後一時十五分といたします。        正  午     休憩       ─────────────        午後 一時 十五分再開 36 ◯議長(池畑憲一君)再開いたします。  田中良二君に発言を許可いたします。    [田中良二君登壇](拍手) 37 ◯田中良二君 質問通告に従いまして、順次質問いたします。なお、一部、午前中の質問と重複はありますが、質問全体の流れがありますので、予定どおり質問させていただきます。  まず、地方創生に係る基本的な考え方についてお尋ねいたします。  戦後日本の七十年間を振り返りますと、経済の高度成長期からオイルショックを経て、地方の時代と言われてから久しく、今、まさに地方創生こそが、地域の総力を挙げて取り組むべき喫緊の政策課題であります。  今から五十五年前、昭和三十五年策定の所得倍増計画において打ち出されました太平洋ベルト地帯の工業化構想により飛躍的な経済成長を遂げ、都市圏への人口集中が加速し、我が国の人口は、昭和二十二年の七千八百万人から、平成二十二年には一億二千八百万人でピークを迎え、そして今、人口減少に向かおうとしております。  これまで、均衡ある国土の発展を目指して、昭和三十七年の全国総合開発計画、平成十年の五全総、平成二十年の国土形成計画など、国の地域政策により、モデル定住圏構想、広域市町村圏計画、地方拠点都市構想、ふるさと創生一億円交付事業、市町村合併、定住自立圏構想などが進められてまいりました。  本県の人口は、昭和二十二年の百七十四万人が昭和三十年には二百四万人のピークとなり、本年は百六十八万人になっておりますが、本県初め地方自治体は、国の政策導入とともに、これまでも既に、少子化対策、定住促進に係る独自の活性化策に懸命に取り組んできており、私は、地方創生につきましては、これまでの施策・事業の振り返りとバージョンアップ、さらには、新たな着想が求められているときであると考えております。  そこでお尋ねいたします。  現在、県民の地方創生に対する関心度と期待感は高まっておりますけれども、これまでの国の地方活性化の取り組みをどのように捉えておられるのか。  そして、地方自治体の持続可能な発展の仕組みづくりに向けて、あるいは地方自治体の維持存続に向けて、我が国の地方創生の方向性、本県の地方創生はどのような方向性に向かうべきか、基本的な考え方をお聞かせいただきたい。  次に、地方人口ビジョンと総合戦略の性格について質問いたします。  国のこれまでの指針における地方人口ビジョンと地方版総合戦略は、どのような性格のものか。国の指針を踏まえて、本県ではおのおのどのような性格を持たせるのか。理念を含む総合政策か、あるいは具体的プロジェクトに特化した実施計画になるのか。  また、地方創生関連事業に関する事業成果の数値目標の設定について、考え方をお聞かせいただきたい。  次に、かごしま将来ビジョンとの関連といたしまして、かごしま将来ビジョンはおおむね十年計画であり、総合戦略の計画期間とほぼ重なりますが、まず、かごしま将来ビジョンとの整合性について。また、総合戦略について、振興局・支庁単位での地域別戦略策定の考え方があるのか、お尋ねいたします。  次に、今後の公共施設等のあり方検討会では、公共施設等のあり方について、中長期的な視点で総合的な検討を進めていくとのことですが、地方創生関連のプロジェクトの掘り起こしなどとのかかわりはどのような整理になっているのか。  次に、総合戦略における重点的施策の考え方として、離島振興の位置づけについてお尋ねいたします。  本県は、南北六百キロメートルにわたる広大な県土に多くの有人離島を有する中で、これまでも離島振興対策事業、奄美群島振興開発事業など積極的に推進され、また、県単独の特定離島ふるさとおこし推進事業、議会提言による離島出産費用の助成拡充にも取り組んでいただいております。  薩摩川内市甑島につきましても、藺牟田瀬戸架橋の建設推進、国定公園の指定など重点的に活性化に取り組んでいただいており、心から感謝いたします。  離島は、人口減少が大きいわけでありますが、観光などの地域振興ポテンシャルが高いものがあり、私は、本県の地方創生総合戦略の特性として、離島振興の特化を提言し、力点を置いた議論を期待するものですが、考え方をお示しいただきたい。  次に、総合戦略の検討推進体制につきまして、県推進本部の委員人選の基本的な考え方をお聞かせいただきたい。  次に、本県の総合戦略策定に当たっての県民意向の反映につきまして、どのような手法で県民意向を反映されるのか。  また、地元金融機関等の意見反映の機会も必要と考えますが、どのような方針か、お尋ねいたします。  次に、地方創生関連事業の財源について質問いたします。  まち・ひと・しごと創生事業費の総合戦略における政策パッケージにつきまして、地方創生関連の予算は、三月補正四十一億円、平成二十七年度当初予算で二百十三億円であり、本年度は、この約二百五十億円が一体となって執行されていくわけでありますが、これから策定の総合戦略と国の新型交付金に関係しますので、以下質問いたします。  総合戦略における政策パッケージとして、しごとづくり、ひとの流れ、結婚・出産・子育て、まちづくり、その他財政支援が示されていますが、本県としては、現状と課題をどのような整理の上で、どの政策パッケージを重視した予算措置であるのか。  予算二百五十億円のうち、地方創生関連の交付金充当額は幾らでしょうか。  次に、来年度、国が創設します地方創生に係る新型交付金につきまして、国における検討状況と経過について。また、本県として国への要望はどのようなものでしょうか。  次に、地方交付税に関しまして、国は、地方自治体に一層の効率化を促し、業務委託前提で交付税算定の見直しを来年度から実施との方針を示しております。  この方針につきまして、本県としてはどのように受けとめておられるのか。  本県は、積極的に県政刷新を進めている中で、これ以上の委託方式導入などによる歳出削減が検討できるものなのか。  そして、国の見直しの内容次第では、地方創生の財源を含む本県財政への影響が懸念されますが、今後の対応方針をお示しいただきたい。  次に、子ども・子育て新制度について質問いたします。  子ども・子育て支援につきましては、地方創生の大きな柱の一つであり、保育所、幼稚園、放課後児童クラブの充実など市民からの要望も非常に多いところであります。  まず、新制度の特色と本県の取り組み方針につきまして、子ども・子育て支援法及び関連法に基づき、新制度が本年度からスタートしましたが、まず、この新制度のポイントは何でしょうか。  また、新制度に係る財源について、国の財源充当の内容はどのようなものか。  次に、新制度を踏まえた本県の取り組み方針として、県子ども・子育て支援事業支援計画の内容はどのようなものか。  また、本県として新規事業への取り組みはどのようなものでしょうか。  次に、保育所の待機児童解消に向けた本県の基本方針と具体的な取り組みをお示しいただきたい。  また、現状において、待機児童はどの地域に発生しているのか。  次に、新制度による認定こども園への移行について、幼稚園、保育所から認定こども園への移行の状況として、移行後の認定こども園の四類型と幼稚園、保育所の施設数について。  次に、新制度における認定こども園への移行と補助制度のかかわりにつきまして、運営費補助と施設整備補助は制度変更があったものか。  次に、施設整備補助に係る財源について質問いたします。  本県の安心こども基金につきまして、基金残高と取り扱い方針について。また、施設整備補助に係る国の交付金について、内容をお示しいただきたい。  以上で、一回目の質問といたします。    [知事伊藤祐一郎君登壇] 38 ◯知事(伊藤祐一郎君)地方創生についてお尋ねがございました。  国におきましては、これまでさまざまな地域振興の施策等を講じ、社会インフラの整備や地域経済・雇用対策等の個々の政策レベルでは一定の成果を上げてきているものと考えておりますが、国全体を見ますと、地方の人口流出がとまらず、また、少子化に歯どめがかかっていないとの検証がなされているところであります。  地方創生は、少子高齢化の進展に的確に対応し、人口の減少に歯どめをかけますとともに、東京圏への人口の過度の集中を是正し、それぞれの地域で住みよい環境を確保して、将来にわたって活力ある日本社会を維持していくために、国と地方が総力を挙げて取り組まなければならない課題であると考えております。  県におきましては、地方創生に取り組むためには、何よりも、本県の成長・発展につながる具体的なプロジェクトの掘り起こしが重要であると考えております。そのため、本県の地域特性や可能性を最大限に生かしながら、県民一人一人が生涯安心して働き、安定した生活を送ることができるよう、従来の少子化対策や産業振興対策、定住や移住の推進など、地域経済の活性化のための諸施策の充実を図りますとともに、本県の基幹産業であります農業を初めとする一次産業や観光産業などの重点的な振興を図ることが重要であると考えており、県としては、市町村とも連携を図りながら、本県の将来の発展につながる実効性を伴う施策の展開に努めてまいりたいと考えております。 39 ◯企画部長(岩切剛志君)地方人口ビジョンと総合戦略についてであります。  地方版総合戦略は、国からの通知によりますと、地域の実情に応じた今後五カ年の目標や施策の基本的方向、具体的な施策をまとめるものであり、客観的な評価指標も求められています。また、地方人口ビジョンは、人口の現状を分析し、将来の方向と人口の将来展望を提示するものであります。  県の総合戦略においては、国からの要請も踏まえ、少子化対策や産業振興対策など、地域経済活性化のための諸施策を取りまとめることになると考えておりますが、地方創生に取り組むためには、何よりも、本県の成長・発展につながる具体的なプロジェクトの掘り起こしが重要であり、実効性を伴う施策の展開に努めてまいりたいと考えております。  総合戦略とかごしま将来ビジョン等との関連についてであります。  かごしま将来ビジョンは、中長期的な観点から県政の基本的な方向性を示したものであり、取り組みの方向性等は、地域で住みよい環境を確保し、活力ある社会を維持していくことを目的とする地方創生とも密接に関係しているものと考えております。  同ビジョンにおいては、地域の課題と解決のため、取り組みを示した地域編もあわせて策定しておりますが、総合戦略は各市町村においても策定するということもあり、県の総合戦略に地域別という観点は考えておりませんが、多くの離島や半島地域を有しているという本県の特色も踏まえた施策の展開を考慮する必要があるものと考えております。  なお、公共施設等のあり方については、地方創生の取り組みも考慮しつつ、今後、検討を進めてまいりたいと考えております。  総合戦略の検討推進体制と県民意向の反映についてであります。  地方創生の推進体制については、本年一月に立ち上げたプロジェクトチームを全庁的な体制に拡充するとともに、農業や観光部門について体制を強化し、四月に地方創生推進本部として設置したところであります。今後、地域の産業や経済等に知見を有する外部有識者による有識者懇話会─仮称─を設置し、助言をいただくこととしており、県民の代表である県議会における御議論も十分に踏まえ、総合戦略を策定したいと考えております。 40 ◯総務部長(寺田雅一君)地方創生関連事業の予算措置についてでございます。  平成二十七年度当初予算につきましては、平成二十六年度三月補正予算と連携し、国の動きと合わせて、地方創生に積極的に取り組むための予算としたところでありまして、地方創生関連施策といたしましては、これらの予算において一体的に措置いたしまして、総額二百五十五億円を計上したところでございます。  予算編成に当たりましては、本県の実情に沿った実効性を伴う施策の展開を図ることが重要と考え、従来の少子化対策や産業振興対策、定住・移住の推進など、地域経済の活性化のための諸施策の充実を図りますとともに、本県の基幹産業である農業を初めとする第一次産業や観光産業などの重点的な振興を図ることとしたところでございます。  具体的には、鹿児島にしごとをつくり、安心して働けるようにする施策に百五十三億円、地方への新しいひとの流れをつくる施策に四十六億円、若い世代の結婚・出産・子育ての希望をかなえる施策に三十九億円、時代に合った地域をつくり、安心なくらしを守るとともに、地域と地域とを連携する施策に四十八億円をそれぞれ計上したところでございます。これらの四つの施策パッケージは、いずれも地方創生に向けて重要でありますことから、同時かつ一体的に取り組むこととしたところでございます。  なお、地域住民生活等緊急支援のための交付金につきましては、三十五億二千百万円を充当しております。  次に、地方創生に係る新型交付金についてでございます。  国におきましては、経済財政諮問会議において、新型交付金を創設し、地方創生の進化を図る先駆的・優良な取り組みを支援すべきとの意見や、既存の補助金の統廃合等により必要な財源を確保することが必要との意見などが主張され、議論が行われているところでございます。具体的な制度設計は今後、行われることとなると考えております。  県といたしましては、国に対しまして、地方が地域の実情に応じて自主性、主体性を最大限に発揮できる継続的な仕組みとすることや、その配分に当たっては、離島や過疎地域などの条件不利地域に十分配慮した仕組みとすること、また、規模につきましては、平成二十六年度補正予算で措置された地方創生先行型交付金を大幅に上回る額を確保することなどについて、県開発促進協議会や全国知事会等を通じて要望しているところでございます。  続きまして、地方交付税の算定の見直しについてでございます。  現在、国の経済財政諮問会議において、地方交付税の改革を含めて議論が行われており、その中で、歳出効率化に向けた取り組みで、他団体のモデルとなるようなものを交付税の算定に反映するということが示され、その例の一つとして、民間委託等の活用が挙げられているところでございます。具体的には、今後、国において検討が行われると考えられますことから、その動向を注視してまいりたいと考えております。  民間委託につきましては、業務の執行方法の改善などによる行財政運営体制のスリム化や財政の健全化の推進等といったこれまでの基本的な考え方のもとで、引き続き取り組む必要があると考えております。  本県財政への影響につきましては、県としては、地方創生に係る財源も含め、安定的な財政運営に必要な地方一般財源総額の確保が図られる必要があると考えておりまして、引き続き、県開発促進協議会や全国知事会等を通じて、国に対して強く要望してまいりたいと考えております。 41 ◯県民生活局長(三角浩一君)子ども・子育て支援について、まず、新制度の内容と本県の取り組み方針についてでございます。  新制度におきましては、認定こども園、幼稚園、保育所を通じた共通の給付である施設型給付や小規模保育等への給付である地域型保育給付の創設、認定こども園に係る制度改善、また、放課後児童クラブなど地域の実情に応じた子育て支援など、幼児期の学校教育・保育、地域の子ども・子育て支援を総合的に推進することとなっております。  その財源につきまして、国は平成二十七年度、消費税八%引き上げの増収分のうちから約五千百億円を優先的に確保し、当初予定していた認定こども園や保育所などの量の拡充や職員の給与改善などの質の改善を全て実施できることとなっております。  県の計画につきましては、市町村計画の積み上げを基本にした教育・保育の量の見込みやその確保方策、保育士等の確保や資質向上、障害児等特別な支援が必要な子供に関する施策などについて定めております。新規事業につきましては、新制度の給付事業に対応するため、子どものための教育・保育給付事業などを創設したほか、幼保連携型認定こども園の従事者に対する保育教諭研修事業や放課後児童クラブ等で従事する子育て支援に対する研修事業に取り組むこととしております。  次に、待機児童解消についてでございます。  県の基本方針としましては、県の計画におきまして、国の待機児童解消加速化プランに基づき、施設整備や保育士の確保を進め、平成二十九年度末までに解消を図ることとしており、本年度、安心こども基金や国の保育所等整備交付金を活用し、現時点で千百五十人の定員増を図ることとしております。  また、待機児童のある市町村は、平成二十六年四月一日現在で、鹿児島市、薩摩川内市、姶良市、出水市、奄美市など七市町となっております。  認定こども園への移行についてでございます。  新制度への移行に伴いまして、認定こども園の数は、昨年四月一日の三十六から五十四増加して、本年四月一日現在では九十となっております。その内訳は、幼保連携型が二十四から四十増加して六十四、幼稚園型が六から九増加して十五、保育所型が六から五増加して十一となっております。なお、地方裁量型は設置されておりません。  また、認定こども園でない幼稚園は、百九十四から四十一減少して百五十三、認定こども園でない保育所は、四百五十七から十三減少して四百四十四となっております。  新制度における認定こども園への移行と補助制度とのかかわりについてでございます。  運営費につきましては、保育所は保育所運営費、幼稚園は私学助成などで措置されていましたが、新制度施行後は、新制度に移行しない私立幼稚園を除きまして、施設型給付として財政措置の一本化が図られ、市町村から給付されることとなりました。
     なお、新制度に移行しない私立幼稚園へは、従来どおり県が私学助成を行います。  また、国は今年度から、安心こども基金の積み増しを行わず、保育所等整備交付金等の新たな交付金などを創設し、引き続き、保育所等の整備に対する財政支援を行うこととしております。  施設整備補助に係る財源についてでございます。  安心こども基金は、平成二十一年度に造成され、これまでに保育所の計画的な整備等に活用されてきたところであります。平成二十六年度末の基金残高は十九億三千六百万円余りとなっており、本年度までは保育所等の整備にも活用できることとなっております。  国が今年度創設した保育所等の施設整備費に係る新たな交付金としましては、保育所等整備交付金と認定こども園施設整備交付金がありますが、安心こども基金同様に、保育所の新設・増設等や認定こども園の増改築などに活用できることとなっております。 42 ◯田中良二君 自席から、一点だけ再質問させていただきます。  企画部長にお尋ねしますが、地方創生の総合戦略策定における県民意向の反映の件ですけど、先ほどの答弁で、「県民意向の反映の仕方としては、議会の意見とあわせて、外部の有識者懇話会─仮称─からの助言をいただく」という答弁でございましたが、これからパブリックコメントなど、県民の皆様から直接的な意見聴取をする考えがあるのか、この点について考え方をお聞かせください。 43 ◯企画部長(岩切剛志君)これまで県では、さまざまな施策を検討する場合、施策の方向性等について広く県民の方々の御意見をいただきながら、各分野における各部局の計画とか、これまでの将来ビジョンとか、御意見をお聞きしながら施策を展開し、また、事業の実施に努めてきたと考えております。これまでのかごしま将来ビジョン、各部局の計画等の策定などと同様に、今後、パブリックコメントなどの実施も含めて、検討してまいりたいと考えております。    [田中良二君登壇] 44 ◯田中良二君 それぞれに御答弁いただきました。  地方創生関連では、総合戦略策定につきましては、県民の期待も大きいものがございますので、答弁にございましたとおり、パブリックコメントなど、直接県民の皆様から意見の聴取をしながら、実効性を伴う施策・事業を網羅していただくようにお願いいたします。  次に、子ども・子育て支援につきましては、新制度の円滑な運用のもとに、待機児童の解消など住民要望の多い諸施策につきまして、市町村と連携して積極的に進めていただきたい。  また、国は、第一子の壁、第二子の壁、第三子以降の壁の分析と対策を唱えているところでありますので、本県としましても、引き続き、少子化対策に係る施策の充実に向けた検討を進めていただくようにお願いいたします。  次に、原子力防災計画について質問いたします。  平成二十三年三月の福島第一原発の重大事故以来、さまざまな経緯を経て、川内原発一、二号機につきましては、昨年十一月の臨時議会で再稼働に係る採決が行われました。  現在、川内原発の再稼働に向けた手続と準備が進行中でありますが、発電プラントの安全性向上は永遠の課題であり、また、避難計画の実効性向上については市民・県民の重大な関心事であり、これまでの取り組みの成果、これからの取り組みの姿勢と内容が問われております。  県地域防災計画原子力災害対策編の原子力災害事前対策におきましては、原災法及び災害対策基本法に基づき実施する予防体制の整備及び原子力災害の事前対策が定められております。  まず、防災訓練等の実施に関しまして、平成二十三年以来これまでに実施された原子力防災訓練の主な内容、訓練の評価と防災体制の改善に関しまして、評価の仕組み、参加者、自治体等から出された主な意見について。なお、県計画におきましては、訓練でチェックすべき項目の設定、専門家の活用、改善点の明示、必要に応じて緊急時マニュアルの策定・改訂への活用の記載がありますが、これまでの取り組みについて、本年三月の県計画見直しの内容を含めてお示しいただきたい。  また、特に、避難計画の実効性を高めることが求められておりますが、今後の防災訓練における実施方針をお示しいただきたい。  次に、防災活動に必要な資機材等の整備につきまして、ハード面の整備についてお尋ねいたします。  県計画におきましては、救助・救急、医療、消火及び防護資機材等の整備並びに住民等への的確な情報伝達体制の整備の記載があり、毎年度、機器の整備が着実に進められております。  平成二十三年度から二十六年度の過去四年間につきまして、それらに係る監視測定機器、放射線防護資機材などの整備内容は全体としてどのようなものでしょうか。それらはどのような実施計画に基づき整備されてきたのか。  また、それらハード面の充実の県の取り組みにつきまして、県民の皆様にはどのような手段で広報・周知されてきたのか。  次に、防災活動に必要な資機材等の継続的な充実に向けまして、今後五年間における整備方針についてお尋ねいたします。  UPZ三十キロメートル圏内における整備計画はどのようなものでしょうか。何を重点的に整備されるのか。  本年度から環境放射線監視センターの新築移転事業に着手され、原発防災体制の整備が進められていきますが、今後の原子力災害事前対策に要する財源確保の観点から、本年度から平成三十一年度までの今後五年間の財源見通しについて質問いたします。  本年中の川内原発一、二号機の再稼働が見込まれているところですが、核燃料税など現行制度で見込める原発関連財源の種類と平成二十七年度当初予算額及びそれらの今後五年間の総額見込み額は幾らでしょうか。  また、それら以外に、原子力発電施設立地地域共生交付金など、現行制度で新たに活用可能なものとしてどのようなものがあるのか、その種類と今後五年間の歳入見込み額は幾らでしょうか。  なお、立地地域共生交付金につきましては、県が策定する地域振興計画に基づき交付することとされているようですが、計画策定の取り扱いについて考え方をお聞かせいただきたい。  次に、避難経路の整備につきまして、県計画の緊急輸送活動体制の整備に関しましては、県は、災害発生時の緊急輸送活動のために確保すべき道路等の輸送施設の点検と輸送機能の確保を図ることとされています。  UPZ三十キロメートル圏内の県管理道路におきまして、原発防災の避難経路である県管理道路の路線数と延長は幾らでしょうか。  そのうち、幅員が狭い箇所の改良や橋梁の耐震対策などが必要な箇所があると思われますが、それらの整備状況をお示しください。  その中で特に、現道をバイパスする整備を行う箇所について、その箇所名と整備内容をお聞かせください。  次に、土砂災害対策について質問いたします。  安全・安心なまちづくりは県民共通の願いであり、土砂災害対策には、当局におかれましても精力的に進められております。一方、近年の異常気象がもたらすゲリラ豪雨等によりまして、住民の中には災害発生の懸念もあり、土砂災害対策は中山間地、市街地を問わず住民からの要望も非常に多い案件であります。  そこでまず、土砂災害危険箇所についてでありますが、土石流、急傾斜地、地すべりの土砂災害危険箇所の整備状況、整備率についてお尋ねいたします。  そして、砂防堰堤の整備など、土砂災害危険箇所における整備方針と重点的な取り組みをお示しいただきたい。  次に、砂防施設等の長寿命化計画について、まず、現状と見通しについてお尋ねいたします。  本県は、台風、豪雨などに見舞われる自然環境の中で、地形的にも急峻な山地、渓流があることで、これまでも土砂災害防止のために多くの砂防施設が長年にわたり整備されてきております。  そこでお尋ねしますが、砂防施設の中で砂防堰堤、床固め工の砂防設備につきまして、これまで整備された施設数と整備後五十年経過となる施設の現時点での施設数、また、高度経済成長期に整備されたものなど、これから十年後、二十年後において、五十年経過となる施設数はどのような推移の見込みでしょうか。  砂防施設等につきましては、これまでの老朽化点検の取り組み状況とその対応について。  最後に、今後の砂防施設等の長寿命化対策につきまして、本県の取り組みはどのようなものか、お尋ねいたします。  次に、土砂災害警戒区域等の指定について質問いたします。  まず、土砂災害防止法改正の内容についてですが、土砂災害防止法が平成二十六年十一月に改正され、平成二十七年一月に施行されましたが、改正の背景と改正の内容についてお示しいただきたい。  次に、土砂災害警戒区域等の指定について質問いたします。  土砂災害警戒区域、土砂災害警戒特別区域の指定につきましては、県内四十三市町村において指定を進めておられますが、現在の指定の状況はどのようなものでしょうか。また、指定を行うに当たってはどのような課題があるのか、お示しください。  災害の発生予防に向けましては、一層の区域指定と指定に向けた基礎調査が必要と考えますが、基礎調査の本年度の取り組み状況について。  また、基礎調査の予算につきましては、制度上の課題があると聞いておりますが、その内容と国への要望はどのようなものでしょうか。  そして、法改正を踏まえた今後の本県の取り組み状況はどのようなものか、お尋ねいたします。  次に、山地災害の防止対策につきまして、まず、山地災害危険地区の箇所数とその整備率についてお示しください。  次に、治山ダムの整備、管理についてお尋ねいたします。  本県の広大な森林は貴重な地域資源であり、木質バイオマス発電による新たな需要創出など、地域資源を生かす林業は本県の将来発展を担う産業でありますので、林業振興のためには、治山ダムの整備、管理は重要な要素であると考えます。  お尋ねいたしますが、近年の本県の治山ダムの整備実績、今後の整備方針について質問いたします。  治山ダムの管理のあり方として、堆積土砂につきまして、その確認体制、除去の基準、除去の実績について質問いたします。  あわせて、山地防災ヘルパーにつきまして、その役割、認定者数について。また、山地防災ヘルパーから提供される山地災害等に関する情報はどのように生かされているのか、質問いたします。  次に、鳥獣被害対策について質問いたします。  鳥獣被害は全国的な問題となっており、本県でも、寄せつけない、侵入させない、捕獲するための各種事業に鋭意取り組まれております。今回は、個体数を減らす捕獲に関し、現状と推進策についてお尋ねいたします。  指定管理鳥獣の生息状況についてですが、指定管理鳥獣でありますシカとイノシシにつきまして、生息数把握の取り組み状況について、本県における生息数の適正水準についてお尋ねいたします。  鳥獣の個体数を減らす捕獲推進の取り組みとしては、狩猟者の確保が求められております。まず、県として狩猟者確保の取り組みはどのようなものでしょうか。  次に、狩猟免許の取得・更新につきまして、まず、狩猟免許の種類と狩猟登録者の動向について。  次に、猟銃に係る取得と更新の手続は、近年どのような改正がされたのか、その趣旨と内容について。  手続変更の広報は、猟友会などに対してどのようになされているのか。  次に、猟期に関しまして、狩猟の期間を定める根拠規定について。  本県と隣県の猟期は同じ期間なのか。  また、猟期延長の要望もあると聞いておりますが、本年の猟期はどのような見通しなのか、お尋ねいたします。  次に、有害鳥獣に係る捕獲報償金につきまして、報償金の制度内容と市町村への交付状況。  また、県内には、有害鳥獣捕獲につきまして、独自の捕獲報償金制度を持つ市町村もあると聞いておりますが、どのような状況か、お尋ねいたします。  以上で、二回目登壇の質問といたします。 45 ◯危機管理局長(永野 司君)原子力防災計画のうち、防災訓練等の実施についてでございます。  平成二十三年度以降は二回訓練を実施しており、平成二十四年度は、県の暫定計画に基づき、原発から二十キロ圏内において、緊急時モニタリング訓練や避難誘導訓練などを実施し、平成二十五年度は、国の主催で原発から三十キロ圏内において、これまでの訓練種目につきまして、実時間実動訓練として実施したところであります。  訓練結果につきましては、参加した関係機関により、避難の手順や広報・周知、情報連絡体制などについて意見交換を行い、訓練で得られた改善点や課題等につきましては、次回の訓練等に反映させることとしております。  今年度の訓練では、PAZ内の住民等は予防的に避難等を行い、UPZ内の住民等はまず屋内退避を行い、その後、空間放射線量の測定結果を踏まえて一時移転を行う段階的避難について理解していただく取り組みや、昨年十月に整備した原子力防災・避難施設等調整システムを活用する取り組みなどを想定しております。  今後、国や関係市町などと協議しながら、詳細な内容を詰めていきたいと考えております。  防災活動資機材等の整備状況等についてでございます。  県では、国の指針等に基づき、資機材を整備しておりますが、財源は国の交付金等でありますことから、毎年の予算編成時に関係市町の要望も聞いて、必要な資機材を選定しております。  モニタリングポストにつきましては、平成二十三年度以降、おおむね三十キロ圏内に従来の二十二局から四十五局増設し、計六十七局で監視測定するとともに、その測定値を住民の方々が確認できるよう、薩摩川内市などの市役所や川内駅などに大型表示板を設置しております。  また、防護資機材につきましては、防護服や防護マスクなど約四千五百人分を整備し、関係市町などに配布するとともに、緊急被曝医療につきましては、ホールボディカウンター等搭載車や除染テントなどを配備しております。  これらの取り組みは、ホームページに掲載するとともに、原子力だよりなどの冊子をおおむね三十キロ圏内の全世帯等に配布し、周知を図っており、今後とも、研修会や防災訓練などあらゆる機会を通じて周知を図ってまいりたいと考えております。  今後の防災活動資機材等の整備方針についてでございます。  今後の整備につきましては、昨年度から引き続き、公民館等への放射線防護施設の整備を進めるとともに、本年度からは、放射線監視機能の強化のため、放射線防護機能を備えた県環境放射線監視センターの移転整備を行うこととしております。このほか、防護服や防護マスクなどの放射線防護資機材の更新に努め、引き続き国や関係市町と連携して、整備に取り組んでまいりたいと考えております。 46 ◯企画部長(岩切剛志君)原発関連の財源についてであります。  川内原子力発電所に係る平成二十七年度当初予算額は、核燃料税が十七億七千万円、電源立地地域対策交付金が十七億二百万円、原子力発電施設等緊急時安全対策交付金が六億九千六百万円で、このほか、放射線監視等交付金など六億五百万円となっており、これらの総額は四十七億七千三百万円となっております。  これを前提とし、今後、状況の変化等が生じないと仮定した場合の五年間の総額は、二百三十億円程度になるものと予想されます。  原子力発電施設立地地域共生交付金についてであります。  原発関連交付金の中で本県が新たに活用可能なものとしては、原子力発電施設立地地域共生交付金があります。これは、運転年数が三十年を経過した原発の所在道県を対象としており、交付申請を行ってから五年を原則として、総額二十五億円が交付されます。交付金の使途は、公共用施設の整備などとされており、交付のためには、使途などを盛り込んだ地域振興計画を県が策定する必要があります。  なお、最終的に地域振興計画は、国の有識者会議での審査を経て、経済産業大臣から承認を得ることとなっています。 47 ◯土木部長(久保田 一君)原子力防災計画に係る避難経路の整備についてです。  関係市町が作成した地域防災計画において、UPZ内で避難経路に位置づけられている県管理道路は、四十一路線、延長約四百キロメートルであります。  これらの路線のうち、現在、道路改良については、県道川内串木野線の宮里工区など十一カ所において行っており、橋梁の耐震対策については、県道京泊大小路線の洲崎橋など四橋梁において、かけかえを実施しているところです。  これら整備中の箇所のうち、バイパス道路としては、県道川内串木野線の高江永崎工区や県道川内郡山線の宮崎工区など、五カ所において整備を進めているところであります。  次に、土砂災害対策についての御質問のうち、土砂災害危険箇所についてです。  本県の土砂災害危険箇所は一万六千二百四カ所あり、そのうち、被害想定区域内に人家五戸以上もしくは公共施設が存在する要施工箇所は、四千九百五十二カ所であり、平成二十六年度末の整備率は、急傾斜地崩壊危険箇所が三七%、土石流危険渓流が三三%、地すべり危険箇所が二八%、全体では三五%となっております。  砂防関係施設の整備に当たりましては、危険性・緊急性及び地元要望等を総合的に判断し、特に、近年大きな被害を受けた地域や要配慮者利用施設、重要交通網を保全する箇所の重点整備を図ることとしております。  また、ことし四月に河川砂防情報システムをリニューアルし、土砂災害危険度情報を一キロメートル四方ごとの詳細な表示に改善するなど、より充実した防災情報の提供に努めております。  今後とも、ハード・ソフト両面から土砂災害による被害の防止・軽減を図ってまいります。  砂防施設等の長寿命化計画についてです。  これまで整備した砂防設備は、平成二十六年三月末で三千三十七基となっております。このうち、建設年度を確認している施設数は千八百六十七基であり、五十年以上経過しているものは三百八十一基、二〇%です。十年後には八百十七基、四四%、二十年後には千八十九基、五八%となる見込みです。  県では、平成二十五年度に緊急点検を実施し、早急に対策が必要とされた施設については改築事業を実施しているところです。  長寿命化計画につきましては、国から示されたガイドラインを踏まえ、個々の施設を対象に平成三十年度までに策定し、適切な施設の維持管理に努めることとしております。  土砂災害防止法の改正についてです。
     土砂災害防止法は、平成二十六年八月豪雨による広島市での土砂災害等において、土砂災害警戒区域等の指定だけでなく、基礎調査も完了していない地域が多く存在し、住民に危険性が十分伝わっていなかったこと、土砂災害警戒情報が避難勧告等の基準にほとんどなっていなかったこと等を踏まえ、改正されております。  改正法では、住民等に土砂災害の危険性を早期に周知するため、都道府県による基礎調査の結果公表の義務づけや市町村における避難体制の充実・強化を図るための措置などが定められております。  土砂災害警戒区域の指定の取り組み等についてです。  本県では現在、土砂災害警戒区域については、三十五市町村、一万四千百七十五カ所の指定を行っております。指定に当たっては、基礎調査の対象箇所が多く、現地調査や住民説明会に時間を要することなどが課題となっております。基礎調査は、これまでに十市町で完了し、本年度は二十七市町村、約一千四百カ所の調査を行い、このうち八市町村で完了予定であります。  国の基本指針では、五年程度で基礎調査を完了させる目標が示されており、そのためには、事業費の確保とともに、交付金の交付率のかさ上げなど、地方負担の軽減を図る必要があると考えており、県開発促進協議会等を通じて国に要望を行っております。  県としては、今後とも、基礎調査に積極的に取り組むとともに、土砂災害警戒区域等の早期指定に努めてまいります。 48 ◯環境林務部長(川野敏彦君)土砂災害対策に関しまして、山地災害危険地区と治山ダムについてでございます。  県内の山地災害危険地区は、平成二十六年度末で九千六百七十二カ所、このうち、対策を講じている箇所は五千七百三十八カ所で、整備率は五九%となっております。これらのうち、土砂流出を抑止する必要のある箇所で治山ダムの整備を進めており、最近五年間では百八十五基を整備したところです。  また、現地調査や市町村等からの報告により、土砂や流木等が堆積し、二次災害の危険性が高まっていると判断された治山ダムにつきましては、土砂の除去を実施しており、最近五年間では十五基実施したところです。  今後とも、危険度や緊急性の高い箇所から計画的に治山ダム等の整備を進めるとともに、適切な維持管理に努めてまいります。  山地防災ヘルパーについてでございます。  山地防災ヘルパーは、山地災害に関する情報収集や山地災害危険地区の住民への周知などを目的に設置しているもので、現在五百九名を認定しております。  山地防災ヘルパーは、毎年梅雨前に山地災害危険地区の点検調査等を実施し、その結果は市町村を通じ住民に提供し、防災意識の向上につなげますとともに、必要に応じて治山施設の維持管理等に活用しております。  次に、鳥獣被害対策に関しまして、まず、指定管理鳥獣の生息状況等についてでございます。  先月施行された改正鳥獣保護管理法において、集中的かつ広域的な管理が必要とされた指定管理鳥獣のうち、シカについては、生息数が増加していることから、国の指定管理鳥獣捕獲等事業を活用し、今年度、生息状況調査を行い、生息頭数を推定することとしております。  また、シカの管理目標については、先月定めた第二種特定鳥獣管理計画において、国のガイドラインを参考に、自然公園等の保護地域では一平方キロメートル当たりの生息頭数を五頭、それ以外の地域では二頭としたところです。  一方、イノシシは、生息頭数を把握する手法が確立されておらず、その推定が難しいことから、農林業被害額を現状の約二億円から一億円以下に減少させることを管理目標としたところです。  狩猟者確保に向けた取り組み等についてでございます。  狩猟免許には、網猟免許、わな猟免許、散弾銃等を使用できる第一種銃猟免許、空気銃だけを使用できる第二種銃猟免許の四種類がございます。狩猟登録者数の動向については、昭和五十三年度の約二万人をピークとして、銃猟の登録者が減少してきており、昨年度はその約四分の一の四千七百人となっております。  県では、新たな狩猟者を確保するため、わな猟免許の取得に対する助成や捕獲技術の講習会を実施するとともに、今年度からは、狩猟免許試験の回数を各地域での年二回に加えて、県下全域を対象に一回ふやすこととしたところであり、わな猟の登録者は近年、少しずつ増加してきております。  狩猟期間についてでございます。  狩猟期間については、鳥獣保護管理法及び同法施行規則で規定されており、知事が第二種特定鳥獣管理計画を策定した鳥獣は、法の定める期間の範囲内で延長が可能となっております。  本県のシカとイノシシの狩猟期間は、従来、十一月十五日から三月十五日までとしていましたが、特定鳥獣管理計画の策定に合わせ、今年度から解禁日を二週間早め、十一月一日としたことから、隣県と同様となっております。  県としては、捕獲の担い手である狩猟者の確保・育成に努めるとともに、生息状況等のデータを踏まえた適正な管理に向けて取り組んでまいります。 49 ◯警察本部長(種部滋康君)猟銃に係る取得・更新手続についてでございます。  いわゆる銃刀法施行規則の一部が改正され、本年三月一日から施行されておりますが、その趣旨は、近年、鳥獣による農林水産業等に係る被害の深刻化や狩猟人口の減少等を踏まえ、猟友会などから、猟銃や空気銃の申請手続に関する負担軽減が求められていましたことから、猟銃等による危害予防上支障のない範囲で改正されたものと承知しております。  主な改正内容につきましては、申請書に添付する写真の枚数が削減されたこと、猟銃等所持者がさらに銃を取得する際の住民票、経歴書等の提出が省略できるようになったこと、従来、診断書の作成は精神保健指定医に限られておりましたが、申請者のかかりつけ医も作成できるようになったことなどであります。  銃砲所持者への広報状況についてでございます。  猟銃等所持者に対する改正内容の広報につきましては、警察署から、管内の猟友会や銃砲保安協会に会員への周知を依頼したほか、各地区猟友会の総会や銃砲保安協会の役員会等におきましても、具体的に広報しているところでございます。また、本年四月から五月に実施いたしました銃砲一斉検査におきましても、改正に関するチラシを配布するなど、猟銃等所持者に広報を行ったところであります。  今後もあらゆる機会を通じまして継続した広報を行い、所持者に対する負担軽減の周知に努めてまいります。 50 ◯農政部長(福田博史君)有害鳥獣の捕獲報償金についてでございます。  県におきましては、国の鳥獣被害防止緊急捕獲等対策事業を活用し、有害鳥獣の捕獲を推進するため、県鳥獣被害防止緊急捕獲等対策協議会を設置して、基金を造成し、イノシシ、シカ、サルの成獣を捕獲した場合、一頭当たり八千円、タヌキ、アナグマは千円、カラス、ヒヨドリは一羽当たり二百円を上限に捕獲活動経費として助成しております。この事業の活用により、平成二十六年度は三十七市町村でイノシシ、シカ、サルは約二万四千頭が捕獲され、交付金額は、カラス、ヒヨドリ等も含めて約一億九千万円となっております。  また、県内の三十九市町村におきましても、独自の捕獲報償金制度が措置されており、報償金単価は、イノシシで千六百五十円から三万七千円、シカで四千四百円から一万二千円、サルで五千二百円から三万円などとなっております。    [田中良二君登壇] 51 ◯田中良二君 それぞれに御答弁いただきました。  原子力防災計画につきましては、防災活動に必要な資機材等の整備に関しまして、関連交付金等を活用しながら、計画的な整備を引き続きよろしくお願いいたします。  あわせまして、避難経路にもなります県道のバイパス整備なども積極的に進めていただくように、重ねてお願い申し上げます。  土砂災害対策につきましては、近年、これまでに経験したことのない異常気象が頻発していることを考えますと、自主防災・自主避難について、住民みずからの判断と行動の意識づけと行政からの新たな啓発活動が求められていると考えます。  ハード面におきましては、安全・安心な住環境を求める住民の声に応えていただき、砂防施設、治山施設についての計画的整備と長寿命化対策、あわせて、的確な維持管理策をお願いいたします。  鳥獣被害対策につきましては、鳥獣被害の多い地域では、著しい人口減少、耕作放棄地の増加、また小・中学校の統廃合という課題がセットになっており、集落営農経営への影響や地域コミュニティの存続そのものを懸念する声もありますので、地域コミュニティにおける地方創生の重点課題の一つとして、この鳥獣被害対策を取り上げていただきたい。  最後に、私は、今回の一般質問では、子ども・子育て支援などの地方創生関連、県民の安全・安心に係る原発防災、土砂災害対策などを取り上げてまいりました。なお、特に地方創生につきましては、引き続き積極的な議論をしていきたいと考えております。  私は、これから三期目四年間の貴重な時間の中で、信念を持って行動と政策提言を続けていきたいと考えております。  以上で、一般質問を終わります。ありがとうございました。(拍手) 52 ◯議長(池畑憲一君)次は、山田国治君に発言を許可いたします。    [山田国治君登壇](拍手) 53 ◯山田国治君 前回、質問させていただいたときに、もうそろそろ選挙が始まるが、再び議場に来られるだろうかと非常に心配いたしておりましたが、おかげさまで再度、県政の壇上に立たせていただきました。  我々は選挙前には、有権者の方々に「山田、大丈夫か」と聞かれ、「大丈夫だ」と言えば、自信があるなとお叱りを受けるし、「いや、全く自信がありません」とこのように答えれば、「そうだろうな」と。やはり、「一票を投じてくださる方には低姿勢で丁寧な対応で接するように」という言葉をいただいたわけであります。  そして、当選させていただいた今日、先ほどからお話がありますように、投票率が低かった。我々の地域も御多分に漏れず投票率が低かったわけでありますが、今度はこのような質問をされます。「山田、投票率が低かったな」と、「はい、そうでございました」。「理由は何か」、「いろいろございます」、「いろいろございますではわからんじゃないか。具体的に答えるように」とこのような会話を交わしながら、最初は聞こえないふりをして飲み方の席でもあっちに行ったりこっちに行ったり、その場を逃れておりますが、お酒が回ればしつこい人がおられまして、追っかけてきて「山田、なぜ投票率が低かったのか」と聞かれます。私も腹をくくって、「我々に魅力がないから皆さんが投票に行ってくださらないんですよね」と言いますと納得してくださいます。やはり責任は我々、選挙に出る者にあるわけであります。心して日々、行動してまいりたいと思います。  それと、先ほどから質問があり、答弁もございましたが、少子化対策についてであります。この議論を聞いておりますと、日本の将来は何年後には人口が大体どのくらいになる、さらに三十年後はこういう形になる。それぞれの識者の方々が、減る話については予想を立ててくださるわけでありますけれども、このようにすれば人口減に歯どめがかかるというような議論はなかなかされませんし、そして、出てきません。  思い起こせば、昔それぞれの地域で、お金がたくさんある、そこの一人息子は中学校のころから学生服のあつらえを着て来る子もおりました。我々は何を着ているかわからないような制服をまとって、大変うらやましく思いながら過ごした時代があります。そのころ、子供が十人、いや、それ以上いる家庭においてはほとんどがそういう状況でありました。  今、これを振り返ってみますと、その当時、学生服のあつらえを着ていた子供は、今どのようになっているかといえば、東京の大学を卒業して東京で就職し、結婚して、学生時代以降、顔を見たこともないというような状況にあります。お父さんやお母さんはどうであるかといえば、老人ホームに入ってそれこそ顔も見たこともない。私はそういう状況が各地で発生していると思います。  なぜ私がそのような表現をするかといえば、お話がありましたように、少子化社会は必ず到来する。先ほど申し上げたとおりであります。先ほど一人息子の話をしましたが、日本の国を例えれば、世界の中で我々の国はそういう状況にあるわけであります。子供の少ない国において、将来栄えたためしがありません。  政治家も、先ほどの答弁を聞いておりますと、子供対策とか子ども手当とか、あるいは保育園に通う、そして保育園に払う金額をどうしようああしよう、こういう話ばかりであります。しかし、子ども手当をふやして子供がふえるならば簡単なことでございます。しかし、そうなっていないのが現状であります。しからば、それを踏まえた上でどのように国において、県において対応していくかということが私は最も大事なことであると思います。  質問通告いたしておりませんので答えてくださいというわけにはいきませんが、また、いつの日かそういう議論も皆様方とさせていただきたいと思います。  そして、遅くなりましたが、過ぐる五月二十九日に、それこそ降って湧いたようなという表現がございますが、口永良部島の火山の爆発によって、自分には全く責任がない状況の中で避難を余儀なくされている方々に、心からのお見舞いを申し上げる次第でございます。さらに、知事も何回も現状を把握するために現場に行かれたと思いますけれども、すばらしい人というのはかねてはなかなかわかりません。しかし、一朝事あるとき、何かが発生したときに、その人間が自分の立場において何ができるかということが最も私は大事であると思います。そういう意味では、知事を初め、それぞれの執行部の方々の御苦労に対して、心からの感謝と御礼を申し上げる次第でございます。  質問に入りたいと思います。  通告に従ってでありますけれども、初めに、県有地の中でも未利用財産というものがあります。よく話がありますように、これに対する有効活用対策はどのように考えていくかという議論がありますけれども、このことについてお伺いいたします。  県では、平成二十年度に県有財産有効活用方策を策定し、平成二十四年度までの五年間で二百億円の売却目標を掲げ、取り組んできたところであり、平成二十五年度以降も、未利用財産の有効活用・処分の基本的な考え方を踏襲し、引き続き積極的な売却に取り組んでいくとされております。  しかしながら、先般の報道によりますと、昨年度の売却実績は二十三件で、売却額は約四億一千二百万円となっており、当初予算で売却を見込んでいた三十億円の売却目標に対して、わずかに一四%にとどまったと報ぜられております。  平成二十年度に有効活用方策を策定して以降、六年間の売却実績は二百四十九件、約百三十五億九千万円であり、当初の五年間の目標二百億円に比較しても、約六八%にとどまっております。不動産の売却は、景気やさまざまな要因に左右されるとはいえ、余りに進捗率が低すぎると言わざるを得ません。  一方、未利用財産のうち、農業試験場跡地三十二、二十五、二十六街区につきましては、平成二十六年第三回定例会において、「一般競争入札により売却することとしているが、売却方法を検討する過程において、医師会等を中心に、医療法人徳洲会が進出することに対し強い懸念が示された状況を踏まえ、双方より意見等を出していただき、必要に応じ調整を図ることとしたところであり、現時点において、双方の考えに相当の隔たりもあり、売却時期等について具体的に見通すことは困難な状況にあるが、引き続き、売却に向けて取り組んでいきたい」との答弁がありました。  そこでお伺いいたします。  第一点は、昨年度の主な県有地の売却内容についてお示しください。  第二点は、未利用財産の売却が進まない要因と、今後、売却促進に向けて具体的にどのように取り組んでいかれるのか、お示しいただきたいと思います。  第三点は、農業試験場跡地三十二、二十五、二十六街区について、その後の検討の状況及び今後の見通しについてお示しいただきたいと思います。  次に、警察行政についてお伺いいたします。  新あんしん・かごしま創造プログラムの検証と課題についてお尋ねいたします。  県警では平成二十四年から、県民の治安に対する不安を払拭して治安のさらなる向上を図るため、新あんしん・かごしま創造プログラムを掲げ、今日まで治安対策を推進してきております。  新あんしん・かごしま創造プログラムは、平成二十六年までの三年間を推進期間とし、犯罪の起きにくい社会づくりの推進や交通死亡事故の抑止・飲酒運転の根絶等、八つの柱ごとに行動と目標を掲げ、その目標達成に向けて各種治安対策をとってきております。  その結果、昨年、県内の刑法犯認知件数が五年連続で戦後最少となるなど、数値面では改善されましたが、コンビニエンスストアを狙った連続強盗事件やアパート放火事件等の重要犯罪の発生や、うそ電話詐欺被害の増加や高齢者が当事者となる交通死亡事故が高い割合で発生するなど、依然として厳しい状況にあります。  また、県警が県政モニターに対して毎年一回実施しているアンケート調査によりますと、治安に不安を感じている県民の割合は、三割近くに上ることも明らかになっております。  そこでお尋ねいたします。  第一点は、新あんしん・かごしま創造プログラムの推進期間が平成二十六年で終了しましたが、その検証結果についてお示しください。  第二点は、検証結果を踏まえた今後の課題とその取り組みについてお示しください。  次に、土木行政についてお伺いいたします。  県管理河川の維持管理についてであります。  近年、異常豪雨が頻繁に発生しており、河川堤防などの施設を適切に維持管理することがますます重要であると考えます。県管理河川は、約四百六十河川、二千五百キロメートルほどと伺っており、限られた予算の中での対応は大変御苦労されていると思います。  そのような状況の中、治水安全度を高めるために平成二十四年度から四カ年計画で集中的に取り組まれている寄洲除去計画については、これまで手が回らなかった箇所まで寄洲を除去していただき、地元住民も大変喜んでおります。  一方で、依然として、「もっと寄洲を除去してほしい」という声が多くあるのも事実であります。また、河川の伐採についても多くの要望がありますが、先ほど申し上げましたように、限られた予算の中、県での対応が追いつかない状況にあると思います。  地域によっては、自分たちの地域の川は自分たちできれいにしたいとの考えで、地域を挙げてのボランティア活動で雑草木の除去に努めておられる町内会もあります。しかしながら、地方の町内会では御多分に漏れず高齢者が多くなってきているなど、そのような活動もなかなか難しく、困難な状況になっているのも現状であります。  県においては、そのような活動を支援するための事業に取り組んでおられると聞いておりますが、そこでお伺いいたします。  第一点は、寄洲除去計画の現在の進捗状況と、今後、寄洲除去をどのように進めるお考えなのか、お聞かせいただきたいと思います。  第二点は、河川の伐採、除草等の維持管理を今後どのように進めていかれるのか、お聞かせください。  以上で、一回目の質問といたします。    [知事伊藤祐一郎君登壇] 54 ◯知事(伊藤祐一郎君)寄洲の除去等についてのお尋ねがございました。  寄洲の除去につきましては、河川の氾濫を未然に防止いたしますため、寄洲除去計画に基づき、土砂が著しく堆積しているなど治水上緊急性が高い箇所につきまして、平成二十四年度から四年間で集中的に取り組んでいるところであります。平成二十七年三月末までに、全体計画の約七割に当たります三百九カ所で土砂を除去したところでありまして、今年度末までには、当初計画した全箇所について除去を終えることといたしております。これまで寄洲除去を集中的かつ計画的に進めてきたことで、流下能力は確実に向上したものと考えております。  来年度以降の寄洲除去につきましては、寄洲の堆積状況により、治水上緊急性が高いと判断される箇所につきましては、引き続き、できる限りの対応をしてまいりたいと考えております。 55 ◯総務部長(寺田雅一君)未利用財産の有効活用についてでございます。  平成二十六年度における未利用財産の売却実績は、七ツ島サンライフプール、旧果樹試験場南薩支場跡地、肉用牛改良研究所職員住宅など二十三件でございます。売却額は、御指摘いただきましたように四億一千二百万円となっております。  未利用財産の売却につきましては、近年、県内の地価が住宅地、商業地とも連続して下落するなど需要が低迷していることや事業者等の希望する条件と合致する物件が少ないことなど、厳しい状況にあると考えております。  県といたしましては、平成二十年度に策定した県有財産有効活用方策の基本的な考え方を踏まえ、積極的な売却に努めてきたところでありまして、去る二月には、庁内でございますが、県有財産管理運営委員会を開催し、情報の共有化や連携の強化、売却の迅速化などについて全庁的に取り組むことを改めて確認したところでございます。  今後とも、庁内において十分な連携を図りますとともに、宅地建物取引業者や不動産鑑定士の方々などの民間ノウハウの活用、さまざまな広告媒体を利用したPRなどに努めまして、引き続き積極的な売却に取り組んでまいりたいと考えております。  農業試験場跡地三十二、二十五、二十六街区につきましては、一般競争入札により売却することとしているものの、これまで、医師会と徳洲会、双方の考えに相当の隔たりがあり、売却時期について具体的に見通すことは困難な状況にあると申し上げてきているところでありますが、その後の状況につきましても特段の進展は見られないところでございます。  このような状況にはありますが、関係部局と連携を図りまして、引き続き、売却に向けて取り組んでまいりたいと考えております。 56 ◯警察本部長(種部滋康君)創造プログラムの検証結果についてでございます。  県警察では平成二十四年一月に、新あんしん・かごしま創造プログラムを策定し、これに定められました八つの柱ごとに各種治安対策を行ってきたところでありますが、プログラムの推進期間が平成二十六年十二月に終了したことを受け、本年からは、この八つの柱を県警察の運営重点に一本化して定めているところであります。  現在、プログラムの成果を検証中でありますが、ここ三年間の主な成果といたしましては、県内の刑法犯認知件数が平成二十五年に戦後初めて一万件を下回り、平成二十六年もさらに前年を下回ったこと、新プログラム開始前の平成二十三年と比べ平成二十六年は、交通人身事故発生件数が約一六%、負傷者数が約一九%減少したこと、平成二十三年と比べ平成二十六年は、青色防犯パトロール車両台数が二百台以上増加したほか、各種業界団体等九団体と犯罪の起きにくい社会づくりに関する協定等を締結し、締結団体数が約二倍となったことなどが挙げられます。プログラムの推進によりまして、地域社会とも連帯が図られ、指数治安が改善されるなど、県民の安全と安心の確保に一定の成果があったものと考えているところでございます。  次に、創造プログラムの今後の課題と取り組みについてでございます。  今後の治安対策の大きな課題は、県警察の運営重点で八項目定めているところでありますが、そのうち、当面重点的に取り組む課題といたしまして、犯罪の抑止と交通死亡事故の抑止が挙げられるものと考えております。
     犯罪の抑止についてでありますが、刑法犯認知件数は減少傾向にあるものの、殺人、強盗などの凶悪犯罪やうそ電話詐欺、DV・ストーカー事案などの県民生活の安全を脅かす犯罪が依然として発生しておりますことから、これらの未然防止と徹底検挙のための取り組みを強化し、犯罪の起きにくい社会づくりを推進することとしております。  また、交通死亡事故の抑止についてでありますが、交通人身事故発生件数は減少しているものの、交通事故死者数は増加傾向にあることから、街頭活動や交通指導取り締まりを強化しつつ、自治体や関係機関・団体と連携した広報啓発活動など、総合的な交通死亡事故抑止対策に取り組むこととしております。  今後も、日本一安全で安心な鹿児島づくりに向けた各種治安対策を推進し、県民が肌で感じる体感治安の改善に努めてまいる所存でございます。 57 ◯土木部長(久保田 一君)河川の伐採、除草等の維持管理についてです。  河川における伐採等につきましては、治水上支障がある箇所を県単河川等防災事業により、県が直接行っているほか、簡易な除草等につきましては、ボランティア活動を支援する、みんなの水辺サポート推進事業の活用など、地域住民等の協力も得ながら取り組んでいるところであります。  みんなの水辺サポート推進事業につきましては、平成二十七年度からは、これまでの軍手やごみ袋などの現物支給から、美化活動に必要な機材に係る経費等を広く補助できるよう制度を改善するとともに、予算も増額したところであります。  河川における伐採等につきましては、大型機械の導入拡大や刈り草の処分方法の改善を行うなど、コスト縮減を図りますとともに、水辺サポート推進事業などを通じた共生・協働の取り組みの拡大により、河川の適切な維持管理に努めてまいります。    [山田国治君登壇] 58 ◯山田国治君 それぞれ御答弁いただきました。  河川の寄洲除去についてでありますけれども、きょうは執行部の方々も、それぞれの立場の方が同席をされておりますし、そしてそれぞれの議員の方も同席されております。私も暇がありますので、「山田国治、俺の近くの川を見に来い。寄洲もなければ、ヨシもアシも生えていない」。そういう参考になる河川があれば、ぜひ私も少々時間を費やしてでも見に参りたいと思います。  なぜ私がこのようなことを言うかといえば、我々の地域に栗野という町があります。そこでしみじみ年配の方が私に話をしてくださいました。内容は、「町長さんの指導のもと、我々もこの地域を流れている川については、それこそ自分たちのことは自分たちの手でという思いで今日まで整備してきましたが、山田さん、もうそろそろ限界がある。この前も河川に入って作業しておりましたが、深みにはまって眼鏡がなくなった」と。眼鏡がないわけですので、探すのもできずに非常に困っておられました。これからはそういう状況が各地で私は生まれてくると思います。  あれもこれも行政に頼るという方法は、知事の説明の中でも、ある程度、制限をしながらという気持ちも言葉の端々で聞かれるわけでありますけれども、この問題だけは、何とか地域でという今までのやり方で乗り切っていくのはそろそろ限界に来ているなという思いがあります。土木部は「お金さえあれば、山田、簡単にできる」とおっしゃるかもしれませんが、財政課におかれてもそういう実情を十分御理解いただいて、協議しながら、その対応に努力していただければ大変ありがたいと思います。  次に、先ほどお答えいただきましたが、県有地の売却の件でありますけれども、私も何件かこういう話に耳を傾け、携わってきた経緯があります。その中で、県当局におかれても大変努力されているとは思いますけれども、売却の手続が非常に煩雑で日数がかかっているのではないかという思いもあります。私の勘違いであれば聞き流していただきたいと思いますが、そうでなければ、スムーズにその辺の手順がいくようにぜひ一考をお願いいたします。  次に、空港関連道路の整備状況についてお伺いいたします。  国道五百四号は、大隅地域や霧島市街地から鹿児島空港へ、また、県道伊集院蒲生溝辺線は、日置市や姶良市から同空港へアクセスする重要な路線でありますが、国道五百四号の霧島市隼人町西光寺地内においては、急カーブ、急勾配があることから、県においては西光寺拡幅として道路改良が進められております。当区間は、空港リムジンバスも通過するルートであり、利用者からは走行性の向上と時間短縮が期待されていることろであります。  また、県道伊集院蒲生溝辺線については、平成五年の鹿児島豪雨災害時に、鹿児島市やその周辺から鹿児島空港へアクセスする国道及び県道において、土砂崩れにより通行どめが多数発生したことから、国道十号などの代替ルートとして重点的に整備してきたと聞いております。  これまでに鹿児島市の湯屋工区や姶良市の山田工区などが供用され、現在、霧島市溝辺町の有川工区において整備が着々と進められております。一部区間では橋梁が完成している部分も見られ、早期供用に向け、地元の期待が高まっているところでございます。  そこでお伺いいたします。  西光寺拡幅と有川工区のそれぞれの整備状況についてお示しください。  次に、保健福祉行政についてでありますけれども、がん死亡者の減少対策と医療体制の整備についてお伺いいたします。  今や国民の二人に一人が、がんにかかる時代であると言われておりますが、本県においても、現在、がんは県民の死亡原因の第一位となっており、平成十六年度以降、毎年五千人を超える方々が亡くなっておられます。  がんは、生活習慣病の一つであり、偏った食生活、喫煙、飲酒等ががん発症要因と言われております。また、年を重ねることにより、その発症リスクが高まることから、全国より高齢化が進んでいる本県においては、今後ますます死亡者の増加が予想されるわけでありますが、このように、がんは、県民の健康の増進及び生活の質の維持向上にとって大きな課題となっております。  県においては、すべての県民が、がんを正しく理解し、がんと向き合い、がんに負けることのない社会の実現を目指して、平成二十五年三月には、平成二十五年度から二十九年度を計画期間として、県がん対策推進計画を策定いたしました。当該計画に基づき、これまで県においては、がんの予防に係る普及啓発、がんの早期発見・早期治療などに取り組んでいるものと考えます。  そこでお伺いいたします。  第一点は、がんによる死亡者の減少を図るためには、まず、早期発見・早期治療が重要であることは言うまでもありませんが、本県のがん検診の受診率はどのような推移をたどっているのか、お聞かせいただきたいと思います。  また、がん検診は、健康増進法に基づき市町村が実施するものでありますけれども、受診率向上のため県としてどのような取り組みを行っているのか、お聞かせいただきたいと思います。  第二点は、全国どこでも質の高い医療の提供が受けられることが重要であります。特に住民にとっては、地域の身近にがん診療の拠点となるような医療機関があることが、安心して暮らしていく上で必要であると考えます。がん診療に係る医療体制の整備について、県の考え方をお聞かせいただきたいと思います。  二回目の質問といたします。 59 ◯土木部長(久保田 一君)西光寺拡幅と有川工区の整備状況についてです。  国道五百四号の西光寺拡幅につきましては、全体計画約六キロメートルのうち、バイパス区間を含む空港側約四キロメートル区間の整備を先行して進めております。これまでに約九割の用地を取得し、橋梁四橋のうち一橋の整備を終えており、昨年度は、延長が最も長い三百五十二メートルの橋梁の下部工が完成したところです。  本年度は、上部工に着手するとともに、用地買収や道路改良を進めることとしており、今後とも、必要な予算を確保し、着実な整備に努めてまいります。  県道伊集院蒲生溝辺線の有川工区につきましては、計画延長約三キロメートルのバイパス道路として、全区間にわたり整備を進めてきたところであり、これまでに橋梁四橋のうち三橋が完成しております。  現在、九州縦貫自動車道をまたぐ、残る一橋について整備を進めるとともに、舗装工事を行っており、来年度は起終点の取りつけ部の工事を行い、バイパス全線の供用を図ることとしております。  この供用により、現道に比べ距離が半分以下となり、走行時間も三分の一の約四分に短縮され、空港利用者等の利便性の向上が図られるものと考えております。 60 ◯保健福祉部長(古薗宏明君)がん死亡者の減少対策と医療体制の整備についてであります。  まず、本県のがん検診の受診率とその推移、受診率の向上に向けた県の取り組みについてでありますが、健康増進法に基づきまして市町村が実施しました平成二十五年度のがん検診の受診率は、子宮頸がんが四三・三%、乳がんが三六・八%、肺がんが二三・八%、大腸がんが二一・一%、胃がんが一四・九%でいずれも全国平均を上回っております。近年の推移といたしましては、若干上下動はありますけれども、ほぼ横ばいの状態となっております。  県では、低線量CT肺がん検診やがん検診無料クーポンなどの補助事業に取り組んでおりますほか、市町村の受診率向上の取り組みを支援いたしますため、専門医療機関や市町村の代表等から成る生活習慣病検診等管理指導協議会におきまして、がん検診の現状分析、受診率向上方策等の検討を行ってきております。  市町村におきましては、その検討結果も踏まえながら、検診日の複数化、土日・夜間検診、それから特定健康診査とあわせた検診の実施、個別の受診勧奨の実施などによりまして受診率の向上を図っております。  県といたしましては、受診率の向上を通じて、がんの早期発見・早期治療につなげ、すべての県民が、がんを正しく理解し、がんと向き合い、がんに負けることのない社会が実現できるよう引き続き取り組んでまいります。  次に、がん診療に係る医療体制の整備についてであります。  本県のがん医療体制につきましては、手術、化学療法、放射線療法、緩和ケア等を総合的に提供でき、手術件数、専門医配置などの基準を満たす国指定のがん診療連携拠点病院等を県内に九カ所整備してきたところであります。  これに加えまして、昨年八月には、鹿児島市内の医療機関が、乳がんを対象とした特定領域がん診療連携拠点病院に全国で初めて指定され、ことし四月にはさらに、出水保健医療圏におきまして、隣接する保健医療圏の拠点病院と連携して診療に当たります地域がん診療病院が新たに指定されたところであります。また、本県独自のがん診療指定病院を十二カ所整備し、がん医療の均てん化を図っているところであります。  これらの指定病院には、がん相談支援センターが設置されまして、療養や生活上の不安、経済的な問題なども含めまして、相談への対応を行っているところであります。  県といたしましては、今後とも、がん診療連携拠点病院等と地域の医療機関との連携を促進し、県民が住みなれた地域でがん医療を受けられるよう努めてまいりたいと考えております。    [山田国治君登壇] 61 ◯山田国治君 国道五百四号の件につきまして、お答えいただきました。  ただ、国道五百四号に特定するわけではありませんけれども、県が道路拡幅やあるいはトンネル工事、用地買収に当たられるわけであります。私もいつも申し上げておりますが、まず、土地を売ったり買ったり、こういう仕事をされている方もおられるわけであります。そういう中で、「ここを道路が通り、ここが拡幅される」という話が出回りますと、いち早くこの道路の脇を買い占めて、県が買いに行くころはほとんどそういう業者の方々の手に渡っているという状況もあります。  ただ、私もそのとき申し上げるのは、「そこを通すな」と、懲らしめのためとは言いませんけれども、そういうことを防いでいくには、いわゆる当てが外れるような状況をつくり、県のいろんな事業に対して先取りして、ある意味においては邪魔になるような対応をされることが今後、起こらないような知恵の出し方も必要ではないでしょうかと何回も提案したことがあります。業者は業者でありますので、いろんな知恵を出してくるのは当然でありますけれども、それに対応する県の考え方というものも私は必要であると思います。  そればかりではありませんけれども、それこそ先ほど申し上げましたように、「県が買収に来ると言ってから、もう山田さん、相当な月日がたってもまだ来ないですよ」という話も聞きます。私も地域振興局あたりで話をするときに、一回用地交渉に行って、持ち主さんになかなか応じてもらえない。そうなったときの対応が私は大事であると思います。  「うちの土地は売れない」と言ったときに、「ああ、そうですか」と、五カ月も六カ月もそれ以上ほったらかしにするのではなくて、そこを通るたびに、「お茶飲みに寄りました。最近、家業はどうですか」、こういう会話をすることによって道は開けてくると思います。「ああ、そうですか」という納得の仕方、了解の仕方ではなくて、人と人のつき合いというものは会話をすることによって、その人にはその人の事情があるわけでありますので、その辺をひもといて、それから交渉に入っていくことも私は大事であろうと思います。  がんのことについてお答えがありました。  よく例えで、なかなかうまくいかないときに、「あれはあそこが、がんだ」という表現が使われております。ただ、冷静に考えますと、先ほどの用地交渉の話ではありませんけれども、やはり土地であれば、売るほうの言い分、あるいは購入するほうの考え方、がんであれば、私は、鹿児島県において平成十六年度には五千人の方が亡くなっておられるという表現をさせていただきました。全国では三十七万人の方が、がんで亡くなっておられるというテレビの報道がありました。それほど深刻に受けとめていなかった私も悪いわけでありますし、部長におかれてはプロでありますので、「その辺は、山田、とっくの昔に我々は考えていたよ」と。  しかし、人間にとって一番大事なのは、よく言われますように命であります。私も友達をがんで亡くしたことがあります。そのときに、毎日毎日、体力が衰えて奥様との会話も限られてくる。それを見ておりまして、健康のありがたさというのは、言うまでもありませんけれども、よくわかる。しかし、あなたはがんであると言われたときの御本人の思いは、他人にははかることのできない、はかり知れない苦痛があると思います。そういう意味で、その立場で部長におかれても努力しておられるわけでありますけれども、さらなる努力をと言えば簡単に聞こえますけれども、そういう重い意味合いも深めていただき、対応していただければ大変ありがたいと思います。  先ほど申し上げましたが、きょう初日でありまして、私に与えられた時間も少々残っておりますが、「山田さん、最後だから、余りくどくど話をせずに、いい加減に引き揚げたほうがみんなの受けがいいですよ」というお言葉も賜っておりますので、私の一般質問を終わらせていただきます。  御清聴ありがとうございました。(拍手)       ───────────── 62    △ 請願・陳情の委員会付託 ◯議長(池畑憲一君)次に、請願・陳情の委員会付託であります。  受理いたしました請願・陳情は、配付いたしております請願・陳情文書表のとおり、それぞれ所管の常任委員会に審査を付託いたします。  これで、本日の日程は終了いたしました。       ───────────── 63    △ 日程報告 ◯議長(池畑憲一君)明日は、午前十時から本会議を開きます。  日程は、一般質問であります。       ───────────── 64    △ 散  会 ◯議長(池畑憲一君)本日は、これで散会いたします。        午後三時七分散会 鹿児島県議会 ↑ ページの先頭へ...